辛気臭いのは嫌い
ゴーテルさんは貸し出した迷彩ローブを受け取ろうとはしませんでしたが、拒否しているわけでもありませんでしたので、一言断ってから着させました。
雨はまだやみません。感情に合わせて天気が左右されているとしたらしばらくは晴れそうにありませんね。
>「私は......いつから間違っていたんだろうねえ......」
ゴーテルさんは誰にでも聞かせるわけでもない独り言をつぶやき始めました。
少し黙って話を聞きます。
>「お前たちは子供が欲しいと思うことはあるかい?」
「まあ、少しは、欲しいです。」
唐突な質問に言葉を詰まらせながら答えます。
いつまでも元気に生きられるわけではありませんので、いずれは身を引いて命を繋ぐんだろうなと考えてはいましたが、まだ先の話しに思えていました。
>「私はかつて城に愛する相手がいて、その男の子供が欲しいと思っていた。
けれど私にはできなかったのさ......子を生せる体ではなかったんだよ。
そしてある日男は私にこう言ったよ。
『お前は神に愛されぬ魔女だから子供を作れないんだ』とね。
――まあ、昔の......遠い昔の話さ」
なるほど。だから場所も立場も似ているレタス王子をあんなに憎んでいたんですね。
子供の様に可愛がっていたラプンツェルさんが取られるのが嫌となのと愛していた男に裏切られ、出ていかざる得なくなったつらい過去をまた味わいたくない気持ちが、ラプンツェルさんに外に出られない呪いをかけたのでしょうか。
>「それから私は城を離れて森に住み始めた。
一人になった私は――余計に誰かが恋しくなったよ。
子供が欲しいという思いが強まっていったのさ。
そんな要望が村の夫婦を罠にかけ契約を結ばせ――あの子を手に入れさせた。
そう、ラプンツェルをね」
・・・不器用な方ですね。他にも方法があったでしょうに。
>「お前の呪いも、あの子にかけた呪いもね。
私の魔力で維持されているものなのさ。
だから私が死ねば、全てが解放されるんだよ」
「自力では解けないのですか?」
シィノさんにかけられたあの呪いも永続するわけではなかったんですね。
自力で何とかなるならそうしてほしいです。いつまでも辛気臭いと気分が悪いです。
>「......私を殺したくはないかい?」
やっぱり。ここまでは予想できます。が、次の行動は読めませんでした。
>「死にたいのですか」
"紫電"のごとく瞬く間にゴーテルさんを拘束。鋭い刃を細い首筋に狙いを定めていました。ひとは怒りが頂点に達したときに急に冷静になるときがあります。
とらえた瞳はひどく冷め切ったように見えます。
私はそれをただ見ていることしかできませんでした。
>「シィノはあなたを殺すことに興味はありませんが。
あなたが死にたいというなら、手を貸すことはできます。
ところで、あなたが死ねばラプンツェル嬢は哀しむでしょうね。
シィノを恨み、復讐するために邪道に踏み込むかもしれない」
>「負の感情が何を生むかは、あなたがよくご存じのはず。
あなたは気づいた。だから、これからでも間に合う。
そのご老体がどれほどもつのかは知りませんが、最後くらい報われたいと思いませんか?
さあ。ラプンツェル嬢のために死ぬか、ラプンツェル嬢のために生きるか」
・・・私も彼女に色々突っ込みたいところがある。
近づき右手でダガーを掴み、首から離します。
危ないですが、ダガーは押すのではなく引くほうがよく切れます。しっかり掴み動かさなければ大丈夫です。
「・・・私が最初に冒険者やり始めた仕事先で世界を変える理想を求め、戦力の確保の効率化を研究していたルーンフォークの男がいてね。最後、自分に魔法で首を飛ばして命を手放したんだよ。そいつの持っていた日記には自分の研究成果を上から認められず無力さゆえの嘆きについて書かれていたよ。」
「今の話は事情が違うけど、自分から命を絶つのは滑稽だよ。だってようやく間違いに気づいて変われるチャンスが巡ってきたのにそれを捨てちゃうんだもの。
さっき言ってたけど自分に時間が残っているのならいつでも間に合うんだよ。
好きな人にそんなこと言われたらさっさと切って次を見つければいいし、子どもが作れないのなら作れるようになる方法を探すとか、なければ孤児を探して育てるとか。他に方法はあるんじゃないかな。」
淡々と話していたつもりが感情的になっていきます。
「そういった前に進もうとしないのが気に入らねえんだよ!頭にくる!ラプンツェルさんが一緒に住もうとか考えるかもしれねえだろ!どうして後ろ向きになるんだよ!
一人寂しいなら仲間に入れてもらえるよう謝りに行こう!説得なら一緒にいってやる!だから命を自分から捨てるな。」
途中わけわかんないところもあった。ここまで口が悪くなるのは久しぶり
これでも全く心が動かないのなら意見を尊重するつもりだ。
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PLより
会話を試みます。ラキアスおこです。
あ、マジギレではないです。
かなーりながくなっちゃったかな