【B-2-1】目指すは麗月
いつの時代のものかもわからぬほど。
雨ざらしになって風化した石が立ち並ぶ場所。
そこはかつては墓所だったのではないだろうか。
その墓所の中で一際大きなもう何も読めない石碑を動かした先に道があった。
道はどうやら左右に分かれているらしい。
ヴォリアにザラック、そしてレオンハルトの三人の戦士は左の道を行く。
左、いや西側――それは太陽の沈む方である。
* * *
「流石みなさんは大きいですよね、それに強そうです。
僕は小さいし体も強くないので......羨ましいですね」
三人の大きな冒険者たちに下の方から話しかけるのはミハイルだ。
長身なザラックに巨大な竜の体を持つレオンハルトとヴォリア。
それらに比べるとやはりタビットの体というものは弱いものだ。
「だけど君には魔法がある......違うかい?」
そんなミハイルに話しかけるのはエミールだ。
この二人はなかなか仲がいいのかもしれない。
単に気があったのか、それとも共通の過去があるのかはわからないが。
道行く冒険者たちの先頭を行くのは金色の髪が美しい男性だ。
こちら側の集団を統率するリーダー、その名もリオンである。
無駄に優雅なその歩き方はある種自信の表れとも言えるのかもしれない。
その無駄に美しさを気遣った所作の一つ一つもある意味隙がない。
道を少しずつ降りていくと徐々にその視界が開けてくる。
道の先はただぼんやりと青い。
その青は嫌でも死の世界の想像を掻き立てる。
地下とは思えぬほど広い空間の奥にその建物はあった。
流線型のシルエットをした石造りの教会。
それは洞窟と一体化しており、二つの扉らしきものが見えた。
あれのうちの一つが目的となる麗月の扉であろうか。
――だが、そこに至る道のりはなかなかにこんなんだ。
奪還を目指して訪れた彼らを待ち構えていたのは。
数多の不死者たちとそれらを統率する教団員たちの姿。
まだこちらの接近には気がついていないのが唯一の救いだろうか。
「ふう......出番かな」
気障ったらしく髪を書きあげて面倒そうなポーズを取りながらもリオンは向かっていく。
「僕が言うべきことはただ一つさ。
美しく戦おう......!
勝利の女神は醜い者の前には決して微笑まない、そう不死者のような、ね」
猪のように突撃していったりはしない。
まるで蝶が舞い踊るかのように華やかにリオンは駆け抜けていく。
他の冒険者たちも武器や魔法で躍り始めれば――地下は大きな戦場だ。
「さあ、僕らは先へ進むとしよう。
ここは君たちのステージじゃないだろう?」
俊敏そうな銀の髪を靡かせながらエミールがまずは先頭を行った。
仲間たちは舞うように戦いつつ、できる限りのスペースを用意してくれる。
「足にはあまり自信はないけれど......成功させるためには頑張らないといけませんね!」
ミハイルがその後を追うが。
それは勇ましいというよりかは可愛らしい。
とにかく目指すは神殿の左側の扉――麗月の扉だ。
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あんみつ@GMより
セッションが本筋に入ったところでカテゴリを移動させました。
ヴォリア、ザラック、レオンハルトはこちらのカテゴリにお書きください。
よくよく見たら男だらけじゃないか!(・∋・)
【リオン・ルシフェレス】を【NPC:男性】に登録しておきます。
SQの一覧は以下の通りです。決定ダイスと数字が同じものが該当いたします。
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SQ1:ゴッドミッション(試練を最良の状態で達成する)
SQ2:ガードシルバー(エミールの命を守った状態でセッションを終了する)
SQ3:ナレッジシルバー(エミールに関わる【分類:秘密】の情報を入手する)
SQ4:ガードホワイト(ミハイルの命を守った状態でセッションを終了する)
SQ5:ナレッジホワイト(ミハイルに関わる【分類:秘密】の情報を入手する)
SQ6:ウォンテッド("指揮者"の一人に名前か顔を覚えさせる)
====================================
ダイスの結果、
ヴォリアには【SQ4:ガードホワイト(ミハイルの命を守った状態でセッションを終了する)】を
ザラックには【SQ2:ガードシルバー(エミールの命を守った状態でセッションを終了する)】を
レオンハルトには【SQ5:ナレッジホワイト(ミハイルに関わる【分類:秘密】の情報を入手する)】を
それぞれ課します。
あとは突入するだけのRPなのでご自由な感じにどうぞ!(*´∀`*)
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