思いつきはやったもん勝ち?
「私が一度抜けようとしてみましょうか。その様子を見れば、何かしらつかめるかもしれません。」
「ミハイル氏とヴォリア氏も一緒に抜けますか?私の見立てでは一つずつ順番に通り抜ければ十分突破可能だと思いますが。」「いいんですか?
ありがとうございます、それならお願いします。
実際に通り抜けてみれば気がつけることもあるかもしれませんし」「俺は遠慮しておこう。避けれる気がしない。
...エミールさん、アレを抜けられますか?
二人の動きを見れば、タイミングを殆ど掴めるはずです。」「なるほど、できないことはないと思うね。
最近はあんまり危険なことはなるべくしたくない主義なんだけど......。
セシリア様の命がかかっているかもしれないし、やれることはやってみようか」
どう言えば感覚を上手く伝えられるかと考えていたら、いつの間にかヴォリアと俺以外は向こうに渡り終えていた。そのヴォリアにしても既にタイミングはほぼ掴んでいるようだ。
ならば、既に目の前の振り子は障害たりえない。結局、さしたる時間もかからずに突破する事が出来た。
「レオンハルトさん。傷は大事無いだろうか?治療が必要なら俺がその間の見張りを受け持とう」
ただ、その対価としてレオンハルトが多少の傷を負ってしまったが。
確認の問いを投げかけるが、あまり意味の無い行動でもある。
何故なら、問題があるなら彼自身が言うだろうから。
無理をして怪我を隠して進むと言うシチュエーションは物語などでは良くあるが実際にやられたら迷惑極まりない。無理なら無理とはっきり言ってくれた方がよほど良い。
彼もプロの冒険者故にそんな馬鹿な真似はしないだろう。
とは言え、やはり直接確認しておくに越した事は無いが。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「ただの小部屋......って感じでは無いな。今度は、どんな仕掛けなのやら」
「なにか、書かれてるみたいだね」
と、エミールが気付いたプレートに目をやるが、生憎と読めない言語だった。魔動機文明語なら解るんだが......。
「えっと......魔法文明語ですね。
『深淵の黒は闇の色。心と体を捕らえて離さないだろう。
月に照らされた白の道こそが、我らにとって唯一の救いの道である』か」
「つまり、『黒いタイルを踏むな』という事か。
しかし、こういうのを見るたび思うんだが何故わざわざ書いといてくれるんだろうな?
本来の使用者ならどんな仕掛けか知っているはずなのに」
こちらとしては、ありがたい事なんだが。
もし俺が、無限の探求者側の人間なら間違いなくこのプレートは外して奥に持ち去っている。
「あれって浮かんでるだけなのかな。
だったら何かをぶつければ弾いて動かせそうだ」
確かに、エミールの言う通り黒いタイルを白く照らしている照明は固定されているわけではなさそうだ。
ならば、照らす位置を変える事で道を作る事も不可能ではないだろう。
「しかし、当てるだけならともかく狙った位置に動くように当てるとなると少々難しそうだな......。まあ、やってみるか」
そう言うと、そこらに落ちていた瓦礫を拾って投げる。
狙った照明に命中し、そのまま上手い位置に移動させる事が出来た。
「おっと、思ったよりうまくいったな。
ただ、要するに黒いタイルを踏まなければいいなら飛んでいけば良い気もするが。
リルドラケンの二人に運んでもらったり......真語魔法にも飛ぶなり浮くなり出来る奴が無かったか?
わざわざ、相手の想定に合わせてやる理由も無いわけだしな」
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PLより。
判定の調子が良い。大事な所で反動が来たりしないだろうな......。
ザラックが言ってる真語魔法は【レビテーション】の事です。
15:15:49 N2@ザラック 2d6+9
Dice:2D6[4,3]+9=16