最後のひととき

 タタラ(玉鋼) [2016/04/16 22:49:08] 
 

「そう、だね。それじゃあ少しだけ休んで行こう」
できるだけ早く進みたいけれど、焦りすぎるのも良くない。二人の言う様に、ちょっぴりでも疲れはとっておこう 
   *   *   *
 

「あ、そうだ。
 よかったらこれを使ってください。
 きっと僕よりも皆さんの方が上手く使えると思います」


あれはきっと、テンペストさんから貰ったお守りなんだろう。水晶の森のなかを旅した5人の、想いの一部だ

「では、私が受け取らせていただきます!
皆さんよりも後ろにいる機会が多いので、状況を見やすいので...」


それをフィーリアさんが元気一杯に受け取った。ここぞと言うときに役に立ったら嬉しいなあ
 

「それとタタラさんにはこれを......。
 カイルさんたちを助けてあげてください」

 
「え、いいの?」
手の中にあったのは、大きめな魔晶石が2つ。ここから力を取り出して、魔法を使うことができる
これをくれるってことは、信頼しているってことだ。穢れた魂で、ミスをしたわたしを、咎めもせずに頼ってくれるんだッ!
まだ光の届かない数歩先の未来が怖いけれど、この足で踏みしめる勇気が湧いてくる。この道は正しいんだって、自信が持てる
 
「...ありがとう。必ず成し遂げてみせるよッ!」
   *   *   *
 
月明かりを反射する芝生、静かに流れる水の音。夢の中の世界だと言われたら、納得しちゃいそうな景色だ
「あれ?外に繋がってた...わけじゃないのか」
空には相変わらず無機質な蓋がしてあって、ここが地下にあることを教えてくれる。左は場違いな壁で塞がれてて、余計に現実離した感覚になる
触ると壊れちゃいそうな、繊細な建物が奥にある。例えるなら、檻というより鳥かごだろう
あそこが、わたしたちの目的地に違いない
 

「ここがおそらく最後の関門だ。
 俺たちは生きて必ず姉さんを取り返す。
 ――さあ、行くぞ!」

 
気を落ち着かせるために、大きく深呼吸する。決着の時は近い
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PL玉鋼より
庭の描写は勝手なイメージです。間違えがあればご指摘ください
オレットから5点分の魔晶石を二つ受けとります
 
タタラMP4→9