【D-1-4】大聖堂の右手で
>「あ、大丈夫です。復活させます。」
風の銃弾に撃ち抜かれ、倒れたカイルをナマはアステリアの奇跡で揺り起こす。
カイルはゆっくりとその目を開いていくだろう。
「そうか......負けたわけではないんだな」
そう言ってカイルはゆっくりと立ち上がろうとして......ふらりと体を崩しそうになる。
目を覚ましただけで完全に回復したわけではないのだ。
そんなカイルをナマは幾回もの癒しの奇跡によって回復させる。
「手間をかけさせて......悪かった。
こんなところで倒れるなんて、不甲斐ないな」
地面に落ちていた盾と剣を拾い上げる。
明らかにその様子は落ち込んでいるようだ。
それでも......。
「......それでも俺は行かなくちゃいけない。
姉さんが――きっと奥にはいる」
セシリアを助けたい。
その思いだけがカイルを支え先へと進ませようとする。
「でも、無理しては駄目ですよ。
たとえセシリアさんを無事に救えたとしても。
カイルさんに何かあったら――彼女はきっと喜ばないから」
そんなカイルをオレットは制する。
「急がば回れという言葉もあります。
先ほどの話を聞く限り......時間に余裕はないかもしれないですが。
逆に言えばゼロでもありません」
>「少ししか回復しないかもしれませんが、気休め程度にもなれば嬉しいです。
>オレットさん、使うのに手を貸してくださりますか?
>出来ればタタラさんに...」
だから彼はフィーリアに同調するだろう。
少しくらい余裕を持ったほうが案外上手くいったりするものだ。
「......わかった。
だが、できるだけ早く頼む」
カイルをなんとか納得したようだ。
そこからはフィーリアがカイルに。
そしてオレットがタタラに心を癒す薬草を使う。
「あ、そうだ。
よかったらこれを使ってください。
きっと僕よりも皆さんの方が上手く使えると思います」
休息の中、オレットは羽根の形をした輝く飾りを差し出すだろう。
それはどこか妖精の力を感じるが。
物質化しているのでフィーリアにも見て、掴むことができる。
「風の妖精にもらったお守りなんだ。
一度だけどんな攻撃からも風の力で守ってくれる。
投げれば遠くにいる人だって守れるはずだよ。
使いどころはきっと君たちの方がよくわかると思うから......受け取って欲しい」
羽飾りは一個だけだ。
好きな冒険者が受け取るといいだろう。
「それとタタラさんにはこれを......。
カイルさんたちを助けてあげてください」
オレットがタタラに託したのは二つの魔晶石だ。
* * *
一通りの休息を終え、冒険者たちは再出発する。
祭殿を抜けていけば、そこは庭になっていた。
一瞬、洞窟の外に出たのかという錯覚を覚える。
だが遥か頭上を見ればそこは岩でできた天井になっており。
左手の方を見れば岩壁によって空間が遮られている。
だとしてもこの場所は洞窟の中のはずなのに何故か明るい。
月の光に包まれるような明るさだ。
ここはかつての美しさをそのまま残しているようだ。
そして庭へ踏み出してきた方とは反対側に。
大きな円形の建物がある。
豪奢なステンドグラス。
美しく総合な屋根。
壁も上質な石材でできているようだ。
そこは大聖堂――この神殿の最奥だ。
「なんとなく感じる。
この中に姉さんがいるような......そんな気が」
「先ほどの二人の言葉だと檻の中にいると言っていました。
早く助けてあげないと......待ってて」
カイルとオレットは大聖堂を見上げながら呟く。
「ここがおそらく最後の関門だ。
俺たちは生きて必ず姉さんを取り返す。
――さあ、行くぞ!」
誰か一人が扉を開ければ、そこから新しい景色へ繋がるはずだ。
それはきっと――この神殿で見る最後の景色。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
クライマックス直前の場面です。
詳細な回復量については次回進行で全てまとめて確定させましょう。
とりあえず魔香草は計1*2回使用されています。
タイムカウントは6になりますね。
【分類:道具】に【テンペストの羽飾り】を登録しておきます。
一度だけどんな攻撃からも対象を防ぐことができます。
指揮者の攻撃をかっこよく防いだらきっと強烈な印象を与えることが出来るでしょう。
一個しかないので好きなPCが預かってください。
またタタラはオレットから5点分の魔晶石を二つ分けてもらえます。
回復の後、庭のような空間に出ます。
最初の扉同様誰かが扉を開けてください。
誰も開かない場合はカイルが開きます。
他にも何かございましたらどうぞ!
===============================
00:05:15 あんみつ@GM オレット魔香草タタラへ r0+4
Dice:R0[4,2:1]+4=5