【D-2-2】悪魔的な交渉
>「いや......別にどーでも」
一番最初に口から出てきたのはザラックの言葉だった。
その反応に若干アリスは苛立ったような顔をする。
......一方のエッジはそんなアリスを見て面白そうにしていたが。
そしてザラックは頬を掻きながら続ける。
自分たちとミハイルやエミールはただの冒険者と依頼人としての関係しかないと。
だから別に秘密があろうとなかろうと何も関係がないのだ、と。
>「先ほどの裏切り者発言から見てもどうせ『もともと私達の仲間でした』とかそういう話でしょう?
> 大体こういうときに敵から言ってくる情報提供なんてものはこちらの不和をあおるための話でしかないんですよ。
> よって聞いてあげる必要なし!」
同様にレオンハルトは彼女たちの話はただの時間稼ぎに過ぎないと断じる。
エッジが楽しそうに口笛をぴゅうと吹いた。
一方でヴォリアはミハイルとエミールに尋ねる。
彼女たちは仲間であったのかどうか。
彼女たちをどうしたいのか......と。
「あんな趣味の悪い奴らが僕たちの仲間なわけないだろう?
遠慮も何も要らないさ。
いや、むしろ遠慮している暇なんてないだろうね」
エミール曰く彼らとアリスたちは別に仲間ではないようだ。
ミハイルもうんうんと頷く。
「そうね......あんたたちの想像してる通り。
こいつらはね、あたしたちと同じ組織に所属していたのよ。
と言っても夢幻楽団っていう傍系の方だから、確かに直接的な仲間じゃないけど」
アリスの口調が次第に粗雑で刺々しくなる。
どちらかというとこれが彼女の本当の姿だろう。
「でもね......こいつらは確かに悪も悪、悪者なわけ。
誰だっけ、ここに閉じ込めてる奴......アリシス?
んー、まあ、いいや。
そいつがあたしたちに攫われる切っ掛けになったのは......こいつらのせいなわけ。
こいつらが連れてきたのよ、あたしらのところにね」
アリスが話している間ミハイルとエミールは黙り込んでいる。
是とも非とも言いはしない。
「そんな奴らが今更助けに来たとか意味わからなくない?
あたしはマジで意味わかんないと思うわ。
あんたたちもそう思うでしょ?」
オーバー気味のジェスチャーでアリスはマシンガンのように言葉を続ける。
「そこでさ、提案があるんだけどよかったら聞いてくれない?
あたしらはね、別に閉じ込めてる奴がどうなろうと知ったことじゃないの。
それにぶっちゃけあんたら三人にも全く興味はないわ。
だから......さっさと奥に行っちゃいなよ、もう時間ないし?
でもね、ただ一つだけ条件がある。
――こいつらはここに置いていって」
ミハイルのモフモフとした毛に包まれた身体が竦むのが見える。
「あんたたちもこいつらなんて信用できないでしょ?
あの頭だけ硬そうなカイルというお坊ちゃんも騙されてるだけ。
だから置いて行っちゃいなよ。
そしたらあたしらが殺しちゃうから。
言うこと聞いたほうがいいと思うわよ。
もし言うこと聞けないなら......」
ロックゴーレムがその重たい身体を前に進める。
「あんたたちで思いっきり遊んであげちゃうから。
もしかしなくても死んじゃうくらいにね......!」
彼女が取り出したのは細く長い漆黒の鞭だった。
どうやら発動体として加工されているように見える。
「アリスっちは本気で怖いからな。
お前らも逃げたほうが身のためだぜー。
ほうら、ばいばいのばい、っと!」
エッジはまだ武器を抜いてはいない。
だがいざ戦いになればその軽やかそうな身のこなしで、剣を抜くのは容易だろう。
そんな二人を前にして、冒険者の方を振り向かずにミハイルは言う。
「僕は皆さんがどんなどんな決断をしようと止めませんし。
......恨んだりもしません。
僕が憎むべきなのは、僕の過去なんですから。
でも......」
ミハイルの声はどう聞いても震えて聞こえるだろう。
「でも、僕たちはどうなってもいいのでカイルさんとオレット......。
そしてア......ううん、セシリアさんは助けてあげてください」
ミハイルはただ前だけを見ていた。
「まあ、そうだね。
......それだけで僕らは十分だ」
エミールもそう話す中、決断するのは冒険者たちだ。
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あんみつ@GMより
進行ですー!
【NPC:男性】に【エッジ・アサシネイト】を
【NPC:女性】に【アリス・ウィッパー】を登録しておきます。
また【分類:組織】に【夢幻楽団】を、
【分類:秘密】に【ミハイルとエミールの過去】を登録しておきます。
この時点でレオンハルトのSQは達成となります。
アリスは三人だけなら通るならお好きにどうぞ、と言っています。
皆さんは皆さんは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・二人を置いていく
・二人を置いていかない
二人を置いていった場合、戦闘をせずに奥の方へ進むことができます。
その場合二人だけで戦闘になるでしょう。
二人を置いていかない場合は、戦闘になります。
戦闘は《オート戦闘形式(ver2)》を使用します。
魔物知識判定の結果は下記になります。
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【"嗜虐者"アリス・ウィッパー】
○基本能力
種類:生物型ギミック 知名度:10
物理GP:1 魔法GP:1
回避:9(16) 抵抗:12(19) 移動:10
○特殊能力
〆躁霊魔法限定10レベル/魔力14(21)
《弱体》に分類される魔法しか使用しません。
また魔法を使用してもMPを消費しませんが、一度に拡大できる数は2体までです。
使用する魔法は【ダーク・ミスト】【フォビドゥン・マジック】【ポイズン・クラウド】
【スタン・クラウド】【バインド・オペレーション】のみです。
○☑〆魔法適性
戦闘特技《魔法誘導》《魔法収束》《魔法制御》《魔法拡大/数・範囲》を習得しています。
○緊急退避
全てのGPが0になったとき、及びギミック以外の魔物が戦場にいなくなったとき、
戦場から離脱します。
離脱宣言は必要なく、移動距離を無視します。
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【"暗殺者"エッジ・アサシネイト】
○基本能力
種類:生物型ギミック 知名度:10
物理GP:1 魔法GP:2
回避:13(20) 抵抗:13(20) 移動:20
○特殊能力
☑〆挑発攻撃Ⅱ/14(21)/回避力/消滅
乱戦内にいる任意の1体に「2d+12」のダメージを与える攻撃を行います。
攻撃が命中した場合、対象は《挑発攻撃Ⅱ》の効果を受けます。
詳細はPCの習得できる《挑発攻撃Ⅱ》と同様に扱います。
○割と本気
敵側の先制値が19になります。
○緊急退避
全てのGPが0になったとき、及びギミック以外の魔物が戦場にいなくなったとき、
戦場から離脱します。
離脱宣言は必要なく、移動距離を無視します。
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現在敵側にはアリス、エッジ、そしてロックゴーレム一体がおります。
位置は以下のようになっております。
ア・エ 5m ロ 10m PC前衛 5m PC後衛
戦闘の発生に対し、皆様は必ず以下の4つを行ってください。
・PCの位置が前衛か後衛かの決定
・先制判定用ダイス(目標値19)
・6つの戦闘スタイルから1つの選択
・2D6の戦闘処理用ダイスを5~15個
カスタム行動で以下のようなものをご記述いただいても構いません。
・敵キャラクターを狙う順番
・より詳細なPC初期位置(前衛から後衛の間に限る)
・状況毎の詳細な行動(選択したスタイルより優先します)
・PCの行動順
エミールは《防御》を選択します。
カスタム行動として以下の4つを設定します。
・一番残りHPの多い敵キャラクターに《挑発攻撃Ⅱ》を使用する。
・残りHPが8以下の敵キャラクターがいれば止めを刺す。
・回避力が低下しているときは《挑発攻撃Ⅱ》を使用しない。
・アリスを攻撃する方針の場合ダガーを投擲します。
ミハイルは《強化》を選択します。
カスタム行動として以下の4つを設定します。
・防御や抵抗を上昇させる魔法を優先的に使用します。
・残りHPが15以下の味方キャラクターに対して《アース・ヒール》を使用します。
・HPが10以下の敵キャラクターに対して《エネルギー・ボルト》を使用します。
・エッジを攻撃する方針の場合攻撃魔法を行使します。
勝利条件は【全てのギミックのGPを0にする】もしくは、
【ギミック以外の全ての魔物のHPを0以下にする】です。
他に何かございましたらご自由にどうぞ!