月蝕の回廊
扉を開けた先。
真っ先に目に入ったのは同じように空き放たれる扉だった。
その先には厚着の戦士、狐面のエルフ、そしてメイド服を着たルーンフォーク。
間違いなく、太陽の扉へと進んだ仲間達の姿だった。
カイルとオレットも無事な様子だ。
「あんたたち......! ――そうか、無事だったのか」
「ミハイル! そして皆さんも......良かった」
「オレット......それにカイルさん!」
「とりあえずみんな無事そうだね。 よかった、よかった」
それぞれが再開の言葉を口にする。
とりあえず安心し、何か声をかけようかと思った矢先、カイルが別の方向を見て途端に駆け出す。
「あれは......姉さん!」
見ると先ほど走り出したカイルを阻むような形で3人... いや、4人の人影が見える。
そしてその奥には"姉さん"こと、セシリアがいた。鳥籠のような檻の中で明らかに衰弱しているが、命はあるようだ。
「あんたが......教団の主導者か?」
「いや、私は違いますね。 ただのしがない信仰者です」
「私が指導者――いや救世者の名を騙るなど畏れ多い。 本物の救世者は――」
「わたし」
目の前にいる4人はどうやら敵のようだ。
"救世者"を名乗っているのであろう少女は、見かけからすれば周りの三人も相まってどこかの親子に見える。
が、それをすべてひっくり返すだけの何かを感じ取れた。
「裏切り者さんたちも会うのは初めてだね。後ろにいるのは冒険者たちかな?
うふ、ようこそ......わたしたちの本拠地へ。
こちらからの歓迎はどうだった?楽しんでくれたら嬉しいんだけどな」
「中々できない、スリリングな体験でしたよ。十分楽しませていただいたのでそろそろお暇させていただきます。勿論11人でね。」
「ああ、唐突な来客に対しても持て成しの心を欠かさないのは良い事だ。
ところが、接客してくれたエッジとアリスっちが何かの準備があるとかで急いで帰っちまったんで、お礼の言葉が言えなかったんだよな。
ついては、今どこにいるのかとか教えちゃくれないか?」
確かにエッジとアリスっちがいない。
負傷させて撤退させていたならまだしも、ゴーレムだけ倒して撤退、しかも準備と言っていた。
少なくともこの場の近くか、この場に何かしらの作用を及ぼす可能性は高いだろう。
「あんたたちの歓迎なんて興味はないさ。
俺たちにとって肝心なのは――姉さんを救うことだけだ。
この力で敵うかはわからない。
それでも――ここからどいてもらうぞ!」
カイルがそう言って戦闘態勢を取る。すると、少女から突拍子もない言葉が飛び出てきた。
「そう、どいて欲しいんだね? 安心していいよ......わたしたちはもう行くから。 カイルのお姉さんも返してあげる。 お姉さんへの用事はもう済んじゃってるからね。 でも、ただ返すだけじゃつまらないでしょ? だから......」
少女から嫌な笑みが零れた。
「...!」ヤバイ。そう思った時には半分反射で身体が動いていた。
「殺してから、返してあげる」
「姉さん......!」
「っ!」
「させるか!」
嫌な予感通り、魔法で形成された拳は後ろ... セシリアを狙う。
カイルとレオンハルトが駆け出す。恐らく間に合わないが、そうでもしなければ、セシリアの命も危ない。
届くかどうかはわからない。だが、そこで諦めて命を見捨てるなんて、もっとできない。
《たすけてあげて、いそいで!!》
「届いてくれ...っ!」
そして横から、良く響く声が聞こえた。
「すみません!皆さん! 早いかもしれませんが......奇跡!起こします!」
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バードの声って響いてく印象です。
ヴォリアはセシリアにウィスパーヒールを行使します。
距離的に無理でも撃ちます。その際はMPだけ消費でOKです。
こんな状況なので、MP残量なんて頭からすっ飛んでるヴォリアです。
21:34:45 ヴォリア@0Δ まもちき1 2d6+5 Dice:2D6[4,3]+5=12
21:35:15 ヴォリア@0Δ まもちき2 2d6+5 Dice:2D6[4,1]+5=10
21:35:27 ヴォリア@0Δ まもちき3 2d6+5
Dice:2D6[2,2]+5=9
21:35:36 ヴォリア@0Δ まもちき4 2d6+5 Dice:2D6[1,4]+5=10
21:35:51 ヴォリア@0Δ まもちき5 2d6+5 Dice:2D6[3,2]+5=10
21:36:21 ヴォリア@0Δ 行使判定 2d6 Dice:2D6[3,5]=8