終止線の夕焼け
「カイルさん、ザラックさんの武器に魔法をお願い!」
距離を詰めつつ小瓶の詮を引き抜く。それと同時に、オレットさんの勇気と情熱の演奏が始まった
炎と一緒に踊るような、美しい連携で、あっという間にアンデッド2体が崩れ落ちた。その隙間を突っ切って、2歩前に出る
「あっち行けええええッ!!」
願いを込めた水を振り撒く。ちゃんと効果が出れば、反撃を封じられるはずだ
...よし、効いてるぞ!
そのまま祈りの言葉を唱えながら、相手の支援が届かないように目線を遮る。...ナマさんの武器に手応えがない
「ぅぐっ、カイルさん、ナマさんへもう一度!」
これは単騎戦なんかじゃない。頼れるところはカバーしてもらって、冷静に対処するんだ。
骨の騎士を砕いて、3人が前へ切り込んでいく
待っていたと言わんばかりに毒と魔法の弾が打ち込まれた。それでも勢いは止まらずに、霧の怨念は散布する
回復してあげたい。けどわたしに残った力じゃ3人同時はできそうにない
ここはヴォリアさんに任せよう。こっちは敵の手数を減らしたほうが安全になると思う
フレイムジェルを取り出す。狙いは厄介そうな鎧だ
「燃えろォッ!」
流れるような集中攻撃で、火が回る前に動かなくなる。思っていた以上に、みんなの攻撃が強い!
崩れ落ちる鎧の向こうから、戦車が走ってくるのが見えた。どっから出てきたんだ
デュラハンの衝突を、レオンハルトさんとカイルさんの盾が防ぐ。蹴られた二人は痛そうだけど、倒れていない
後ろから、フィーリアさんの爆弾が飛んでくる。生きてるようにうごめいて、敵だけを正確に捕らえる
そこにナマさんの連撃加わって、丈夫な乗り物を簡単に粉砕する。落ちてきた騎手に、ザラックさんとエミールさんが止めをさした
決して弱い相手じゃないんだけど、無力化するのに10秒もいらないなんて!
残りは魔法使いが一人だけだ。体力だけは有り余ってるわたしが接敵して注意を引けば、みんなを守れるはず!
盾を捨てて剣を引き抜き、敵将を切りに行く
――く、来るな......来るなあ!
負けるんじゃない!ここで押されちゃだめだ
あと一歩で、オレットさんが心待にしてたゴールに届く!わたしの夢に近づけるんだ
「─ゥゥウウラアアアアアアッ!!!」
* * *
「私は永遠を手に入れるのだ......!
わ......私......は......」
荒れた息を整える。目の前に倒れたロウソクの火が、今確かに消えようとしていた
わたしには反省点が多かったけど、戦闘に勝利したことは喜んでいいはずだ
後ろから、セリシアさんのか細い声が聞こえた気がして振り返る。最初に見たときよりも元気そうだ
でもまだ安心するのは早い。モタモタしてたら、あの強そうなのが戻ってくるかもしれない
この神殿を出るまでは警戒を解かないでおこう
アンデッドの残骸と、神官の死体はここへ放って置きたくないけど、今は帰ることが優先だ。軽く祈るだけに留めておこう
回復はヴォリアさん、フィーリアさん、ナマさんに任せた方がよさそうだ。檻の方へ近づいて、わたしにできることをする
「セリシアさん、体調はどうかな?不自然なところはない?」
ひどい病気や呪いをかけられているかもしれない。念には念を入れておこう
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PL玉鋼より
マダーシールドが1ターンで落ちるなんて...みんな強いなあ。玉鋼の経験が足りないのか
エルダーの生死に関しては、特に希望はりません。他PLの希望で生きてるなら、聞き耳を立てておきます
回復に関しては、他PCとセリシアの様子を見てから決めます。恐らく、次の進行の冒頭になると思います
それからGMに質問ですが、セッションの最後にここへ戻って来てもいいですか?お手数をおかけしますが、あとで死体と残骸を弔いたいです