相変わらずの空へ

 ヴォリア(0Δ) [2016/04/27 21:32:17] 
 

「そうだな......俺は姉さんを連れて先に行く。
 ミハイルたちもついてきてくれ。
 ――エミール。
 ここはお前に任せた......お前の一番正しいと思う行動をしてくれ」

そう言ってカイル達はエミールを残して先に戻っていく。

「では、お先に失礼します。」
「俺も一緒に行こう。可能性は低いがまだ敵がいないとも限らないしな。
 ところで、どっちの道から帰るんだ?月の方は物理的な仕掛けとかあったから危ないと思うぞ」

ザラックとナマもついて行くようだ。

「......ああ、それなら太陽の道がいいかな。例えるなら扉に鍵かかかってただけだから、安全に帰れると思うよ」

「そうか。それは良かった。
 月の道は慎重にいかないと大怪我じゃ済まないトラップが多かったからな...」
帰り道についてはタタラが答える。
帰りにもあの道を突破すると考えるのは嫌だ。特にあの三日月。
アレは後100年ぐらいは出くわしたくないな。

後はグリードか...
あの意見を出してそのまま残るのは少し気まずい気がする。

「わたしは最期だけ見届けてくよ。すぐに終わるだろうし」

そう考えていたが、タタラはそう言って向き直った。
「...俺も残ろう。」
此処で先に出るのは無責任だ。...誰が決めたわけでは無いが。

= = = = = = =

テントへ戻る道すがら、タタラが話しかけてきた。

「......あのね、変なことなんかじゃないと思うよ。わたしにはヴォリアさんの気持ちがよくわかるから
わたしはさ、人間どころか蛮族に同じ様なことを考えて、逃がしちゃったことがあるんだ。無責任な行動だったと思う」

「そうか... ありがとう。そう言われると少し落ち着くよ。」
確かに蛮族を逃がせば後に良い事はほとんどないだろう。だが、それがグリードとは違うとは言い切れない。
そのまま殺されていた可能性だってあるのだ。

「でもさ、その...ちょこっと足を止めて、改めて考え直す機会をくれる人ってのは、大事な存在だと思うよ。どっちにとってもね」

言われる通り、今回は今一緒に歩いている仲間が引き留めたからこそ、ここに自分がいるのだ。
「そうだな。現に今助けられた。
 ...俺はただ、助けたかっただけなんだ。冒険者になってルキスラに来た理由も、この依頼を受けたのも、その思いだ。
 自分に助けられる人を増やしたい。人だけじゃない、妖精や動物、場合によっては蛮族だって含まれるかもしれない。
 たとえ一粒でも、拾おうとしなければ拾えないから...」
これは自分の全てだ。自らの故郷、妖精の国、そして親である妖精達を守りたいと旅に出て今までの。
そんな事を言っているうちに、外へ繋がっているであろう出口が見えてきた。
「...少し重かったかな。さっきの話は聞き流してくれても構わない。」
そう言って、出口へ進んでいく。

遺跡を出た後待っていたのは、赤と青に染められた空だった。
皆一斉に、今までとは違った雰囲気の声やら反応が返ってくる。
「...いつ見ても綺麗だな。空は。」
俺もいつの間にか、そんな言葉が出ていた。

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お疲れさまでした!
あとちょっと、よろしくお願いします。

+αについては、
・セシリアとの会話シーン
・オレットとの会話シーン
・コンチェルティア観光シーン
を希望します。全てでなくても構いません。
セシリアはセージ、オレットはフェアテ、コンチェルティアはつばさ亭と絡めたいなって(゚Д゚ )

23:22:37 ヴォリア@0Δ 剣のかけら 1d6 Dice:1D6[3]=3