【B-2-3】馬の背には
ミリューがポチの正体を見抜いたことで、フィンは作戦を変えることにした。
自分たちは無力な子供に見せるのではなく、正直に話すことにしたのだ。
>「......隠しててすみません。そうです、僕、真語魔法使いです。さっきの小鳥は、僕の使い魔のポチといいます。僕の住んでるところでは、魔法使いは不気味がられたり、警戒されたりするので、知らない人にはあまり『魔法使い』と名のらないことにしてるんです」
>「僕たち、ふしぎな光に触れて、ここまで迷いこんできたんです。どっちが帰り道なのかすら、ほんとにわかりません」
頭を下げながら真実を語るフィン。
そんな彼の態度から何かを感じたのか。
「別に謝ることではありませんよ。
いきなり会ったばかりの相手に気を許して何でもかんでも喋るのは......。
僕の兄のような人種くらいですし」
別に謝罪は必要ないと語るミリュー。
「ん、どういう意味だ?」
急に話の中に引っ張り出されたフレールはあんまり話についていけていないらしい。
まあ別段悪いことではないが。
――またフィンはエクセターについても語る。
彼女について言葉で説明するのは難しい。
ルーンフォークという概念もガンという概念もこの世界にはなさそうだからだ。
だからいきなり戦えると言われただけでは信じられないという顔をする二人に対して......。
>「むー、ほんとだよー、エクセターすごいんだもん。
> じゃあ、実際に見せてあげるね!」
丘の上に転がっていた石を拾い上げてから宙に向かって放り投げ。
エクセターに使いやすいよう加工されたSMLE Mk IIIによってそれを撃ち抜いてみせた。
「おっ!
結構すげーじゃん、エクセター!」
フレールは素直に感想を述べ。
「別の国ではこんな魔法があるのですね。
なかなか興味深いです」
射手であり魔法にも精通するミリューはガン自体に興味を示した。
>「えっと、これは...その......。魔法の弾を打ちだす武器、です。あつかいが繊細で、特殊な技術が必要なんです」
そして最後にガンについてフィンが説明し、アフターケアも万全だ。
「ガンっていうのか、面白い武器だな。
俺には使えなさそうだけで、強そうだ。
勿論それを使いこなせるエクセターもな......偉いぞ、うん」
フレールはすっかりエクセターに感心してしまったようだ。
* * *
自分たち二人について語り終えた後、フィンは一つの決断をする。
>「あの、おふたりは狼退治のとちゅう、っておっしゃいましたよね。僕たちも、お役にたてるかもしれません。僕たち、こんな風に街のひとたちやいろんなひとたちの困りごとを解決することを生業にしてるんです。助けていただいたことでもありますし、狼退治、お手伝いさせていただけませんか?」
それは狼退治を手伝うことで物語に大きく飛び込んでしまおうというものだった。
>「狼退治、エクセターもお手伝いするよっ!
>自分の身は自分で守るから、おねがーい!」
エクセターもフィンに続く。
そして二人の頼みに対しての返答は......。
「手伝ってくれるなら助かるけどさ。
俺たち今この場で返せるものはないぜ?」
任務に来ているだけなのだからフレールの言葉も尤もであろう。
「まあ、それでも手伝っていただけるのでしたら......。
こちらこそよろしくお願い致します。
僕らも早く任務を終わらせることができたら、妹に早く会えますので」
それでもミリューの言葉の通り、二人はフィンとエクセターの協力を歓迎するだろう。
二人でやるよりは四人でやった方が基本的に早く済むのだから当然だ。
「こいつったら変に心配してるんだぜ?
きっとスールも幸せでやってるってのにさ」
心配性のミリューと楽観的なフレールは実に対照的だ。
「でもそう言う兄さんも大反対してましたよね?」
「そりゃまあ......大事な妹を誰かに取られたら寂しいだろ?
スールは割と賑やかな方だしさ」
二人の会話を聞いていると妹も含め仲の良い兄弟なのではないかと推測できる。
いつも側にいたから仲がいいのか。
仲がいいからいつも側にいたのか。
果たして――どうだろうか。
* * *
「兄さん、無駄話はこの辺にしましょう。
二人がせっかく手伝ってくれると言ってくれたんですし」
ある程度話したところでミリューの方が切り上げる。
二人の関係の主導権はどちらかというとミリューが握っているのだろう。
「無駄ってことはないだろ?
まあ待たせるのが悪いってことはよくわかってるけどな。
......んじゃあ、一緒に狼退治行くか?
よかったら俺かミリューの後ろに乗ってってくれよ。
そっちの方が早く移動できるだろ?」
さあフレールの言う通り狼退治に出発である。
フレールの馬でもミリューの馬でも好きな方に乗ることができるだろう。
馬が苦手なら乗らなくても構わないだろうが。
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あんみつ@GMより
フィンとエクセターのルート進行です。
二人のメインNPCはオルドル兄弟で確定しました。
フィンとエクセターが手伝ってくれることに対して喜んでくれます。
手伝う場合は馬に乗せてくれるそうです。
フィンとエクセターはそれぞれ行動を選択してください。
具体的なものは以下の3つです。
・フレールの後ろに乗る
・ミリューの後ろに乗る
・どちらの後ろにも乗らない
他にも何かございましたらご自由に(*´∀`*)