【B-1-3】喋る女性の像
>「...ここだけ綺麗に燃え残る、なんて事はないだろうねぇ」
二ェストルがそう言いながら周囲を見渡せばちょっとした規則性に気がついたかもしれない。
ちょうど中心の建物から均等な距離が炎の被害を受けていないのだ。
まるで結界か何かに守られているかのように。
その中心たるライフォスの聖印が掘られた建物にロセウスがのしのしと進んでいく。
>「おうい、だれかいるか?」
ノックをしても応えは帰ってこない。
もしかして女性が向かったのはここではないのだろうか。
炎の合間を縫っていけば必然的にこの場所をたどり着くようになっていたのだが。
もしかして彼女は本当に炎の中を突っ切って行ってしまったのだろうか。
――とにかく中を確かめてみればわかることだ。
しばらく待ってからロセウスは神殿の扉を開いた。
* * *
神殿の中はまったく熱くなかった。
むしろ寒いくらいだ。
それは死を想像するような寒さ。
とは言っても不浄な穢れた不死者どもの雰囲気とは違う。
もっと洗練されてだからこそ何も寄せ付けないような透明感。
そんなオーラに建物中は包まれていた。
円状の壁には絵が描かれている。
これは昔の時代の街並みだろうか。
少なとも今のルキスラの街並みとは大きく異なるだろう。
そして建物の中心には一体の像がある。
女性の像だ――ライフォスのものではないだろう。
むしろ身長的には先程炎に消えた女性に近いような。
......そんな感覚を覚えたとき急に動き出した。
動いたのは他でもない、像の顔だ。
その瞳はロセウスと二ェストルの姿を捉えるかのように。
その耳はロセウスと二ェストルの音を漏らさぬように。
その口は......。
「――久しいな。
生きた者がこの世界を訪れるのは」
ロセウスと二ェストルに言葉を届けるために。
「ここは彷徨える魂が辿り着く世界だ。
紅蓮の地獄を抜けて光に満ちた神の愛に触れることで本来たどり着くべき場所を思い出すのだ。
とはいえ、お前たちは魂ではない生身のままだ。
死んでいるわけではないから、安心するといい。
お前たちが何故ここに居るのかはわからないが」
彼女......というべきかはわからないが像が語るにはここは魂を救済するための場所だという。
ロセウスと二ェストルは死んでしまったわけではないようだが。
では、何故二人はここにいるのか......。
その答えは――。
「いや、私が呼んだのか......お前たちを。
私を――そして彼を救うために」
どうやら彼女が呼び寄せたかららしい。
「お前たちに一つ頼みがある。
だが、それを話すには今のままでは手間がかかるな。
――まずは私の像を動かして欲しい。
像の下には聖堂の地下へと至る道があるはずだ」
確かによくよく見れば像の真下の部分には違和感を覚える。
下へと至ることのできる階段があるような......。
「私は最も深い場所で待っている。
お前たちがそこまで至るその瞬間を......。
私と青髭の彼の物語の終わりを紡ぎ始めることを......」
そこまで言い終えた後は像は一切動かなくなる。
もう何かを話すことはないだろう。
例え問いかけても答えは来ない――そんな気さえする。
* * *
もし言葉の通り像を動かしてみれば隠し扉が見つかる。
それを開けば、下へと続く階段が見えることだろう。
ロセウスと二ェストルはこの先へ進むことができる。
同じく進まないことだってできるだろう。
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あんみつ@GMより
ロセウスと二ェストルのルート進行です。
二人のメインNPCはまだ確定していません。
一応ほぼ金髪の女性で確定かとも思いますが。
女性の像はロセウスでも二ェストルでも動かそうと思えば出来るでしょう。
判定は要りませんが、お好きにどうぞ。
皆さんは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・隠し扉の先に向かう
・隠し扉の先には行かない
他にも何かございましたらご自由に(*´∀`*)