見たことがあるような
炎の中を、尻尾が燃えないようにと持ち上げた状態でのし、のしと歩く。
よく知りうる場所でならば駆け抜けることもできようが、ここは知らぬ場所であり、下手に炎を突っ切って俺達が怪我をしたのでは本末転倒である。
護れるものも護れなくなるような事態は、避けねばならぬ。
どれほど歩いただろうか。
空はやはり真っ黒で、周りは炎が舐めている。
時間の感覚など無いに等しい。
「どうやら、一息つけそうだ」
一目見て神殿と分かるその建物を、どうやら炎は避けているようだった。
実際はそうでなくとも、そう見える。
ありがたい限りだ。
>「...ここだけ綺麗に燃え残る、なんて事はないだろうねぇ」
「さてな。
通常であればなにがしかの仕掛けを疑う所だが、ここは童話の中なんだ。
ありえない、とは一概に言い切れないんじゃないのか?」
そもそも童話の中に入り込める、という状況が普通ではないのだ。
俺達の常識の斜め上を行くだろうことも考慮に入れておくべきだろう。
もっとも、希望的観測だけで見誤りたくはないがな。
>「これは...ライフォスの聖印?」
さてこの紋章はいずこの神の神殿で見たのだったかと首をひねるよりも先に、ネスが教えてくれる。そうか、ライフォスか。
どこかで見たことはあるんだぞ。
ただほら、ルキスラの街には多くの神の神殿があるだろ?
ルキスラの街の神殿のどこかで見たのは確かなんだが、それがどこだったのかまでは覚えていない。それだけだ。
>「あまり考え込んで見失ってはしようがない」
まったくだ。
大体、考えるのは俺達の仕事ではない。
カレンとか、フィンとかの仕事だろう。
「念の為、ネスは俺の後ろにいてくれ。
何かが潜んでいないとも限らんからな」
のし、のしと一歩ずつ木製のドアへと近づく。
この炎の中、よく燃えないもんだと思うが、こいつが燃えていないってことは、やはり現実の炎ではないのかもしれない。
「おうい、だれかいるか?」
ごんごん、と拳でその扉をノックする。
もしも誰かがいるのであれば反応があるだろうし、しばらく待っても何も反応がなければお邪魔しようと思う。
―――――
PL;
GMに軽く質問です。
ここは終着点でしょうか?
それとも、ここからさらに先へと歩いて行けそうですか?
先っていうか、他の場所?
また、途中で他の場所へと行けそうな道筋はあったでしょうか?
ここに追いかけてきた女性がいなかった場合、他の場所へ行ったと考えるのが妥当なのか、それともどうやら彼女は幻だったのでは? 的な思考をするための質問です。
中にいたらこれは無意味になるけども!
というわけで行動です。
・神殿のドアをノックする
だ!
不法侵入なんてしないよ!