【C-1-2】煌めく客間
>「そうですね。わたしはこれまでこんな豪華な物を見たことはないですよ。
> これらは、スールさんの集めたものですか?」
城内の調度品の数々にカレンは感心したようだ。
その中でも近くにあった壺に目を遣りつつカレンは尋ねてみる。
「ううん、これは私が集めたものじゃなくて。
ジル――私の夫が昔から持っていたものよ。
私の家はまあお金がないっていうことはなかったけどここまでじゃなかったし」
この城の中にある全てのコレクションは――城主ジル・アジュールのものらしい。
先程見た青髭の男はなかなかの富豪であるのだろう。
* * *
客間へ至る道すがら。
通路について記憶しながら進むカレンにスールが問いかけたのは。
気になる人がいるのかどうか。
そして全てを知りたいかという問いかけであった。
>「気になる人、ですか・・。もちろん、いますよ。そして、わたしも彼について色々知りたいとは思います。
> ですが、人によっては、知られたくない事というのはあるのではないでしょうか?
> 傍から見たらささやかな事でも本人には重大な事だってあるでしょうし、ご主人のお仕事が何か、わたしは存じ上げませんけど、国に関わる仕事をされているとしたら、例え奥様であろうともそこから機密が漏れる可能性だってあります。
> 伝えてくれたら、わたしは不安は消えるでしょうけど、今度は相手が不安になることだってあると思います。ですから、わたしは隠し事をされても、そこまでは気にしないですね。
> それに・・そういう悩みや不安を口に出せる相手がいれば・・相談相手とでも言いましょうか?気分転換もできるでしょうし、余計な事を考えなくて済むと思いますよ」
カレンの回答は大人びた奥ゆかしいものであった。
ちなみに相手については秘密である。
「まあ、カレンって奥ゆかしい感じがするものね。
でも私はやっぱりそういうのは難しいわ。
隠し事をされてるとついつい気になっちゃうの。
例えば......あの部屋のことだって。
――カレンがいるし開けちゃおうかしら?
いや、こんな話してる場合じゃないわね。
ここが、城の客間よ。
さあ、いらっしゃい?」
一人でスールはぶつぶつ呟いていたようだが。
ある扉の前に来たことに気がつくとそこで立ち止まり、カレンを中へと案内する。
ここが目的の場所であるようだ。
* * *
扉の中は相も変わらず豪華な調度品で一杯である。
机や椅子も実に見事な一品である。
座り心地も良さそうだが、これで気持ちが休まるかは人次第であろう。
「じゃあ、カレンはそこに座っていて?
今簡単なお茶とお菓子を用意するから。
そういえばカレンって甘い物って苦手だったりするかしら?」
カレンが腰掛けるのを見届けてからスールは一度部屋の外へ出た。
希望のとおりにちょっとだけ用意してくるつもりなようだ。
客間に残されたのはカレン一人である。
部屋の中を見渡せば、センス良く色とりどりの装飾がなされていることに気づくだろう。
壁には大きな絵が飾られている。
天から降り注ぐ光の中沢山の人や動物、植物たちに囲まれた乙女が棺桶の中から起き上がっている絵である。
それはまだ神々が活躍する時代の頃。
生きとし生ける全ての存在から愛された乙女が不慮の事故によって死を迎えた際、
神が彼女への大いなる愛に免じて、彼女という存在を穢れなく復活させたという奇跡の話だ。
遥か過去の話であり、それが真かどうかを判断するすべはないが。
神官たちは時に神からの愛や、神の持つ偉大な力について語る際にこの伝説を用いるという。
一方で、大切な者を失くした賢者たちがこの奇跡を再来させようと様々な手法を取ったことも記録にはある。
――さて、お茶を淹れてお菓子を用意するには少し暗い時間がかかるだろう。
その間カレンは待っているように言われたが。
その気になれば、ちょっとくらい抜け出してみてもいいかもしれない。
どちらにせよ、物語の展開はカレンが作り出すものでもあるのだ。
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あんみつ@GMより
カレンのルート進行です。
顔を熱くするカレンにはRPを1点差し上げましょう(*´∀`*)
また【NPC:男性】に【ジル・アジュール】を登録しておきます。
【分類:その他】に【復活の奇跡】を登録しておきます。
客間の絵画に対して見識判定が可能です。目標値は14です。
成功すれば、【復活の奇跡】が絵のモチーフであるとわかります。
カレンは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・おとなしく客間で待つ
・ちょっとだけ探検してみる
他にも何かございましたらお好きにどうぞ!