【C-1-3】気になる扉
カレンは客間の窓に身を寄せて外の景色を伺う。
丘の下には人の住んでいる街らしきものがあるが。
丘には特にきになる人影の姿はない。
残念ながら今この瞬間には仲間の存在は確認できないようだ。
――しかしカレンが窓から離れようとしたその時。
窓の外を飛んでいく何かの影があった。
カレンも何度かは見たことがあるだろう。
フィンの使い魔であり鳥であるポチの姿だった。
少なくとも......この世界のどこかにフィンたちはいる。
カレンにはきっと感じられたはずだ。
* * *
スールの姿はない。
カレンはその隙を狙って、ジルの城を探索することにした。
まずは入口から客間へ至る道ではなく。
この部屋から奥の方へと向かう道だ。
途中幾つかの部屋があった。
書斎。
寝室。
浴場。
夫婦の私室。
そして――廊下の突き当たり。
他とは違って厳重に鍵が掛けられた扉があった。
扉自体も鉄製で極めて重々しい印象を受ける。
ちなみにこの扉を閉ざしている鍵はどこかで見たような赤黒さだ。
開けようと試みても鍵がある限り開くことはないだろう。
思いっきり壊そうとしたら壊れるかもしれないが......。
意外と力はあれども、使いこなす術を知らぬカレンにはなかなか難しいだろう。
「あ、こんなところにいたのね。
探しちゃったじゃない!」
カレンがその扉の前に立っていると廊下の向こう側からスールが姿を現す。
「ぼやぼやしているとお茶が冷めちゃうわ。
そうなったら勿体ないでしょう?」
スールは既に茶と菓子の用意を済ませているらしい。
せっかく用意したのだから美味しいうちに頂いて欲しいのが準備者の性だろう。
だが、カレンは気がつくはずだ。
スールはカレンのちょうど向こう側。
施錠された鉄の扉の奥へと好奇に満ちた瞳を向けているのを。
「だから、さっきの部屋に戻りましょう?
それともカレンはもしかして......ううん、なんでもない。
私、カレンの話の続きが聞きたいわ。
それに私の話も聞いて欲しいし」
スールはカレンに客間で戻ろうと告げる。
一方で彼女には確実に抑えようとしている感情がある。
そういった感情は他者がほんのちょっとでも触れてしまえば、一気に溢れ出してしまうものだ。
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あんみつ@GMより
カレンのルート進行です。
窓からはポチの姿が見えますね。
カレンが探索していくと、閉ざされた扉を発見できます。
とりあえず鍵がなければ開かなさそうですね。
またその扉の前にスールがやってきます。
スールは客間まで変えることを提案してきますが、
この辺はカレンのお好きにどうぞ(*´∀`*)