【C-1-4】全てを知りたい
ジルとスールが暮らす城を一人で探索していたカレン。
突き当たりに至ったところでスールに見つかってしまった。
まあスールは特に気にしていないようであるが。
>「ごめんなさい、少し用を足そうと思ったら迷ってしまって・・。
> この扉、凄い厳重ですけど、中に大事な物でもしまってあるんですか?」
カレンは謝罪の言葉を語りつつ、部屋について尋ねる。
「うーん、私も実は中身を知らないの。
だってこの部屋だけは絶対に開けちゃいけないって言われてるから。
でも隠されれば隠されるほど気になっちゃうの――しょうがないわよね?」
スールはこの部屋の中身を知らないらしい。
知らないからこそ、部屋の中が気になって仕方がないのだろう。
とりあえずスールはジルの言いつけをおとなしく守って。
この部屋を今は開くつもりはないようだ。
>「ええ、そうですね。せっかくのお茶ですし、冷めないうちに頂きましょうか。
> わたしも、スールさんのお話お聞きしたいですし」
カレンもそんなスールの様子に合わせるつもりのようだ。
一度先ほどの客間まで戻ることを提案する。
「そうと決まれば早速戻りましょう?
赤い木の実を使って作ったお菓子は上手に出来たと思うの」
* * *
客間に戻れば、机の上にはカップが二つ。
湯気が出ている。
隣の皿の上にはブラッド・フルーツを使ったケーキがある。
食べれば甘さが口を広がることであろう。
「甘い物って食べると幸せな気分になるわよね。
ただあの人は甘いものあんまり好きじゃないのがちょっと残念」
スール曰くジルは甘いものが好きなタイプではないらしい。
まあ先程カレンがみた青髭のイメージ通りではあるが。
「カレンは遠くから来たのよね?
なら知らないかしら――今から数年前まで続いていたひどく長い戦争があったの。
私の夫、ジルもその戦争に出ていたの。
だからかしら、あの人は時々悲しい目をしていることがあるのよ。
何があったのか私が聞いても、何一つ教えてくれはしないんだけど」
スールはお茶を飲みながら、語る。
内容は彼女の夫ジル・アジュールについてだ。
この世界では長い間続く戦争があり、ジルはその戦争に出ていたようだ。
スールはその戦争で経験した何かが彼を悲しい瞳にさせていると考えている。
考えられるものとしては、誰かを失ったなどだろうか。
「私がジルと結婚した理由については家の意向がないといえば嘘になるわ。
でも話したりしているうちにわかったの。
この人はとても優しい人なんだって。
優しすぎるから臆病で、そして悲しい思いばかりしている人なんだって。
そしていつの間にか彼の優しい心に惹かれていった」
次にスールが語るのは、彼女がジルと結婚することになったきっかけ。
彼女はジルの優しさに惹かれたのだという。
「でも、彼を見ているととても不安に襲われるの。
何か私には見せていない彼がいる。
そんな気がしてならないの。
――あの部屋もそうよ。
あの部屋の中には一体何があるのか、私は全く知らない。
知らないっていう気持ちが私の心を震わせるの」
ふとテーブルの上に視線を移せば、カップを持つスールの手は震えていた。
「ねえ、だからカレンにお願いがあるの。
私と一緒にあそこの扉を開けてくれないかしら?
一人だと怖いの。
嫌なものを見たときに全て受け止めれられるか不安で。
――ねえ、お願い......カレン」
スールはただ只管懇願するかのように真っ直ぐカレンの顔を見つめていた。
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あんみつ@GMより
カレンのルート進行です。
一旦客間の方まで戻りました。
スールから少し話を聞けたのでRPを1点獲得できます。
スールから扉を一緒に開けて欲しいと提案を受けています。
お好きなお返しをどうぞ。