特定人物の名はヒミツです。
>「さあ、入って入って。
> 城の中は私が覚えたての記憶で案内してあげるわ!」
覚えたて、ですか・・。ずいぶんと仲良さそうに見えてたのですけど、こちらのお城に住んだのは最近、ということでしょうか?
それにしても、ここにある物はどれも素晴らしいですね。
価値もそうですけど、趣味の良さそうなものが多いです。急に資産を得た、いわゆる成金ではなさそうですね。
>「やっぱり、中に入るとびっくりするでしょう?
> 私も最初はそうだったわ。
> こんなにキラキラに囲まれた場所なんて初めてだったもの」
「そうですね。わたしはこれまでこんな豪華な物を見たことはないですよ。
これらは、スールさんの集めたものですか?」
近くにあった壺を少し見つめてから質問してみます。
もっとも、ここは童話の中なのですから、これは作者・・今の場合はエリックさんでしょうか・・の趣味かもしれません。
>「こっちにね、お客様をおもてなしするための部屋があるの。
> そこでお茶でも飲みながらお話しましょう?
> あの人が帰ってくるまでにはまだ少し時間があるはずだし」
「ええ、ご相伴に預かります」
笑みを絶やさず、スールさんの後に続きます。
迷い子にならない様、歩幅を一定にし、何歩でどっちに曲がったか。簡単に頭の中にメモを取りましょう。
そうやって歩くと、ひとつの絵が目につきます。
青い髭の男性・・。これはおそらく先ほどの男性でしょう。ですが、その横に立っているのはスールさんではないみたいですね。
フィンさんが仰ってた"死体に変わってしまっていた過去の奥様"の一人でしょうか・・?
>「その人が誰なのかは私もよく知らないの。
> 前の奥さんなのかしら......?
> あの人に聞いても教えてくれなくって......」
思わずその絵の前で立ち止まって見入ってしまっていたわたしに、スールさんが不安そうに声を掛けてきます。それは・・旦那さんに隠し事をされて不安に思わない人は少ないでしょうね。
旦那さんでなくとも、隠し事をされるという事は不安が付きまとうと思います。
>「あの人は基本的に優しいのだけれども――私に秘密にしていることがある気がするの。
> それがとても怖くて......怖くて堪らないわ。
> 私は――あの人のことをすべて知りたい。
> だって全てを知らなければ全てを愛せないし、委ねられないでしょう?
> ねえ、カレン。
> あなたにとって気になる人っている?
> たとえいなくても想像だけしてみて......?
> カレンにこの気持ちわかってもらえるかしら......」
全てを――。
そう言われてわたしは考えてみます。頭に浮かんだのはとある軍人さん。先日蛮族との争いで知り合った方です。
現状、わたしは彼についてほぼ何も知らないに等しい状態です。知っているのは名前と、軍に所属しているという事。
確かに、現時点ですべてを委ねて、愛することが出来るかと言われたら難しいかもしれません。
何せ、わたしたちはまだそういう関係になると決まったわけではないですし。
というか、何でここで浮かぶのが少尉なんですか・・?
ここはロセウスさんとかネスさん、フィンさんの出番でしょう!?一番身近な男性ですよ!?
・・ネスさんはともかく、ロセウスさんとフィンさんは隠し事とか苦手そうですね・・いえ、勝手なイメージですけど。ネスさんはあの柔和な笑みで色々と誤魔化しそうです。
そういえば皆さんもこの世界にいるはず・・ですよね?今頃どうしてるんでしょう・・。
思考が逸れました。
「気になる人、ですか・・。もちろん、いますよ。そして、わたしも彼について色々知りたいとは思います。
ですが、人によっては、知られたくない事というのはあるのではないでしょうか?
傍から見たらささやかな事でも本人には重大な事だってあるでしょうし、ご主人のお仕事が何か、わたしは存じ上げませんけど、国に関わる仕事をされているとしたら、例え奥様であろうともそこから機密が漏れる可能性だってあります。
伝えてくれたら、わたしは不安は消えるでしょうけど、今度は相手が不安になることだってあると思います。ですから、わたしは隠し事をされても、そこまでは気にしないですね。
それに・・そういう悩みや不安を口に出せる相手がいれば・・相談相手とでも言いましょうか?気分転換もできるでしょうし、余計な事を考えなくて済むと思いますよ」
と頭の中で考えてた事とは違い、口から出た言葉は少尉を念頭に置いたものでした。
ああ、顔が熱い・・。
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PL こるべっと
遅くなりました!書いてたのに投稿してなかったという不具合・・・゚・(ノД`)・゚・
特に意味はないかもしれませんが、通路を簡単に覚えておきます。判定が必要なら言ってください。