......あれ?
紳士的なひとらしいけど、「青ひげ」の人となりはミリューさんにもつかみきれていないらしい。
>「妹は少し変わっているところがあるんです。
気になってしまうところがあれば一直線というか。
だから実は僕にもあまりよくはわかっていなくて。
きっとスールなりの良さを見出したんでしょう」
「そ、そうですか......」
『気になってしまうと一直線』という言葉に僕はほんのちょっとどきどきする。
どうか、僕たちがたどりつくまで、スールさんが「例の部屋」のことを気にしませんように......。
もし、お屋敷に物語どおりに「例の部屋」があったら、だけど。
この世界の「青ひげ」......どんなひとなんだろう。会ってみるまで、どうにもわからないみたいだ。
※ ※ ※
>「確かにミリューやエクセターの言う通りだよな。
俺たちは人々を守るのが仕事だ。
だから少しでも早く狼を狩る――当然のことか」
先を急ぎたいと言った僕たちに、フレールさんはうなずいてくれた。
>「それにカレン......だっけか。
フィンとエクセターの仲間がいるかもしれないっていうならそりゃ会いたいよな。
――よし、俺たちも早くスールに会いに行きたいし。
ここはさっさと狼たちをやっつけに行っちまおうぜ!」>「当然ですよ、兄さん」
「ありがとうございます、フレールさん、ミリューさん」
フレールさんは優しいひとだ。妹さんへの想いもあるだろうに、しっかりと僕たちの話を聞いてくれた。
そして、ひさしぶりに会う妹さんへの贈り物をあきらめて、僕たちの意見を尊重してくれた。
なにかお返しができるといいのだけど......。とりあえずは、狼退治をがんばろう。
僕は右手の腕輪の重みをたしかめた。
※ ※ ※
早がけの馬の脚がとまった。
>「報告によると、この辺りで目撃情報があったのですが......。
今は居ないみたいですね」>「足跡とかあったりしないもんかな。
そういうのがあれば、探すの楽になるんだけど」
そう言葉をかわすふたりの言葉をききながら、僕はもぞもぞと後ろをむいた。
「ミリューさん、あの、すみません、降ろしてください」
そう言って手を差しのべる。
なかなかに情けないけど、地面に降ろしてもらって、僕は地面や茂みのようすを見はじめた。
「えっと......。あ、ここに痕跡......。獣の足あとですね。一定の間隔でひづめのあとが2頭分......ひづめ?」
その足あとはきれいな直線をえがいて、フレールさんとミリューさんの馬の足もとまでつづいていた。
なんともいえない空気がおちる。
「ああああああの、あのっ、すいませんっ!」
はずかしい。ど、どうしよう。
僕がパニックにおちいっていたら、エクシーがひょいとフレールさんの馬からとびおりた。
地面を見つめたり、体を低くして別の角度から見たりしているけど、その時間は長くなかった。
>「エクセターは国境の警備もやってたから、こういうのは慣れてるよ。
ほら、ここと、ここに足跡がある...多分、狼の足跡だと思う」>「ミリュー。発見された狼の特徴はどんな感じ?
大きいとか、小さいとか、数が多いとか、少ないとか。
それが分かればもっと絞れるよ、追跡もできる」
こちらをふり向いたエクシーは、冷静な兵士の眼をしていた。
>「何度かうろついた跡がある...けど、これなら十分追える。
追跡する?今なら十分追いつけると思うけど」
「彼女の眼はたしかです。追いましょう!」
僕はミリューさんとフレールさんを見あげて叫んだ。
「エクシー、すごいよ!」
エクシーのそんな姿には、ほんのちょっぴり切ない思いをかきたてられるけれど、僕はそれをとりあえずしまいこんだ。
彼女は僕の仲間だ。その力は信頼に足る。
僕はエクシーに笑顔を向けた。
「それでその、ミリューさん......たびたびすみません...。乗せてください...」
僕はもういちどミリューさんに両手をさしのべた。ああもう、かっこわるいなぁ......。
――PL(雪虫)より―――
フレールさんに申しわけないなーと思いつつ、先をいそぎます。
このあとの展開で、なにか埋め合わせができたらいいなと思います。
探索判定にみごと失敗したので、フィン君渾身の小ボケをはさみつつ。
兵士・エクセターの姿にほんのすこしだけ切ない気持ちになりつつ、でもいてくれてよかった!って思いつつ。
フィンが徒歩でとことこついていくと確実に足手まといなので、ミリューさんの馬にふたたび乗せてもらおうと思います。
【判定結果】
雪虫@フィン ≫ 探索判定 狼の痕跡 2d6+6 <Dice:2D6[2,2]+6=10>
いちたりない...エクシーがいてくれてよかった......!