【C-3-1】円状の世界、炎上の世界
>「私たち...という事は他に誰もこの地へ来ていないということでいいのかな?
> しかし 頼まれごとは得意だけれど、できればもう少し・・穏便な方が良かったかな?」
二ェストルは石像に問いかけた。
「私が呼び寄せていないのであれば来ていないだろう。
そして少なくとも私は見ていない。
今この場で言えることはそれだけだ......」
像から帰ってきたのは結局曖昧な答えでしかなかった。
最後に奥へとまずは来て欲しい。
そうとだけ言い残し乙女の像は沈黙した。
像をどければ確かに道があるようだが。
進むか、進まないか。
とりあえずの争点はそこである。
>「さて... カレン達の安否が分からないからねぇ。私としてはもう少し
> こちらの世界を探してからにしたいんだけど......」
二ェストルはどちらかというとこの世界を探してみたいようだ。
だが一面炎で敷き詰められていたあの丘の上に他の誰かがいたとは考えづらいか。
>「いや。
> カレンたちはこっちには来ていないんじゃないか?
> 変にいろんな場所を探して時間をロスする方が危険かもしれん」
一方のロセウスは先に進む方を選択したいようだ。
今できることをすることが一番の近道かもしれないということなのだろう。
>「確かにあれらはか弱いが、それでも立派な冒険者だ。
> 俺達が駆け付けるまで、持ちこたえてくれるだろうさ」
それ以上に仲間たちへの信頼の大きさというものがあるかもしれないが。
* * *
ロセウスが像をずらせば、地下へと降りることのできる階段が姿を現す。
階段は螺旋状に幾回も回り続けながら下へと潜って行っている。
階段を降りていけば、そこには上の階と同様に円形の部屋があった。
目立つのは部屋の中央に立っている旗だ。
その旗にはライフォスの聖印が描かれている。
旗の下には木箱があり、中には青い革表紙の本が仕舞われているようだ。
そして今度の壁に描かれているのは戦場の絵だ。
武器を持った者たちが戦っている姿が見える。
どうやら人と蛮族との戦いではなく、人と人同士の戦いである。
そして一つの軍勢の中心にいるのが――先程の像のモデルであろう女性だ。
彼女は鎧を身に纏い剣を提げ、ライフォスの旗を振っていた。
そしてそこから少し離れた場所に......青髭の男の姿が描かれていた。
彼は――中心にいる女性を見つめていた。
ちょうど今降りてきた階段の反対側には扉がある。
そこから奥へ向かうことができるだろう。
* * *
ただこれは像の言葉通りに進んだ場合の話である。
もし、進まずに建物を出れば、どこまでも炎の海が広がっていただろう。
当てがなくとも探し回れば、何か見つかるかもしれないが。
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あんみつ@GMより
こちらは二ェストルとロセウスの新しいカテゴリです。
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奥に進む場合メインNPCは【金髪の女性(名称不明)】で定まります。
進まない場合は炎の中を旅します。
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