償いと救済
次に始まった物語は、どうやらあの女が火あぶりにされるシーンのようだ。
>「もしこの世に悪がいるとすれば。
> それは彼女を追い詰めたこの世に生きる全てのもののことだ。
> ――そして何よりも彼女を守り切ることができなかった私こそ真の悪だ。
> だからこそ私は償わねばならない。
> 如何にして償うか?
> 答えなど決まりきっている。
> 私は......彼女を呼び戻すのだ。
> 呼び戻された彼女を今度こそ永遠に守りきる。
> これこそが私にできる最上の償いである」
いや決まってないだろう。
というか状況分からんから何とも言えんが、どうしてこいつはそう極端から極端に走るのだ。
「大人しくリザレクションでとどめてはおかなかった、ということか」
首をひねりつつ、三度階段を下り、また扉を開ける。
そこもこれまでと同じような部屋であった。
中央に真っ白な女性の像があるのがこれまでとの違いか。
「やれやれ、ようやくたどり着いたか。
......つまり帰りは階段を登らなければならんのか......」
面倒くさいな。
>「......よく来てくれた。
> 私はジャンヌ・クロワ。
> この地で魂を導く使命を負った者だ。
> 今のような形でしか応じれなくて済まない。
> 私には貌がなくてな......。
> 何かを依代にしなければ存在できぬのだ」
「俺の名はロセウス。
【火竜の手羽先】亭に籍を置く冒険者だ。
こっちは仲間のネスだ。
話を聞こう」
挨拶は大事だ。
俺達が何者であるのか、先に言っておいた方がいい。
俺達は神の使いなどではなく、ただの荒々しい冒険者だ。
出来ることなど、限られている。
>「救い...ねぇ つまらない独り善がりの犠牲になるものを差し置いて
> 救う値打ちもないと思うのだけれど......。
> 君に...いや、神様とやらにとっては違うのかな?」
>「申し訳ないが私の生きている世界はね『どんな大罪を犯しても神を信じれば許される』
> だなんてよっぽどの事がなければ起こらなくってねぇ...
> 君の神様の意志なら仕様がないが、それならば憐れな犠牲者にとびきりの温情を
> 付けてもらわなくては釣り合いがとれないだろう?」
「そうは言うがな、ネス。一応は依頼人の要望に応えるように努めてみようじゃないか。
ジャンヌと言ったな。
あんたの望む、救いとは、どういう事を指すのだ?
あの男を酒場へ連れて行って心の内をすべて聞いてやればいいのか?
過去を振り返らず未来を見ろ、新しい恋をしろ、とでも伝えてやればいいのか?
あんたがお前のことを心配している、とでも伝えればいいのか?
それとも――あいつをここへと、連れてきてやればいいのか?」
呼び戻す、とか不穏な言葉をあの男は口にしていた。
生き返らせる、ではない。
―――――
PL;
大人しくジャンヌの死後直後にリザレクション程度にしておけばいいというのに。
こちらからは、ジャンヌに挨拶を。
ジャンヌが我らをどう思っているのかの確認をしておきたく思います。
いいか冒険者だからな!
難しいことを期待するなよ!
カレンじゃないからな!
そして。
ジャンヌがどういう《救い》を希望しているのかを聞きたく思います。
本文中でロセウスが問うたのは、要するに、すでに罪を犯してるっぽい青髭をここで止めればいいのか、それとも伝言を伝える程度でいいのか、いっそ殺すか?
という質問です。