【E-1-4】十字架の煌めき

 GM(あんみつ) [2016/05/27 00:15:31] 
 

>「スール...フレールとミリューはすぐそばにいるよ。
> カレンももうすぐ来るよ。
> 誰もスールをいじめたりなんかしない、みんな一緒だよ」

エクセターはスールに声をかける。
だが、彼女から先ほどのような朗らかな声は帰ってこない。
ただ......多少なりともエクセターの方を力なく眺めるだけ。
それでも反応が返ってくるということは、少なくとも気持ちが届いているということだ。

そしてそのすぐあとにロセウスと共に追いついてきたカレンがスールに駆け寄る。

>「‥‥スールさん。色々と衝撃的だった事は、お察しします。
> ですが、今は感情的になっても良い事はありません。少し落ち着きましょう?
> ご存知の通り、わたしこれでも神官なんです。今、その奇跡をお見せしますね」

優しく問いかけて。
彼女は神の奇跡の言葉を紡いだ。
祈りが届いたのか、スールの虚ろな目に少しずつ光が灯る。

>「‥‥どうですか?」

「カレン......ありがとう。
 私......私は......。
 ジル......」

ゆっくりとスールが口を開いたが。
彼女の言葉は形にはならなかった。
心こそ落ち着いてはいるが、頭の理解が追いつかないのだろう。
彼女はただ――祈るようにジルとフレールが対峙しているのを見つめていた。

   *   *   *

一方、フレールとジルが対峙する丘の上。
突如苦しみだしたジルの瞳が歪に光る。
レドルグに体をコントロールされているのだ。

>「二人共急いで馬に!...早く!」

>「こいつは魔神...魔神レドルグ!
> 人の思いを利用して、青髭を操りあの惨劇を生み出した元凶!」

まずはそこに飛び出していったのはエクセターであった。

「操られただと?
 それは......」

どういうことか、そう問いかけようとしたフレールであったが。
そんな彼のもとにミリューが馬を走らせた。

「大丈夫です、僕が理解しています。
 とにかくまずはその霧の魔神を倒せばいいということですね。
 兄さんもそいつを狙ってください!」

「いまいちわからないが......。
 それでいいなら俺もやるぜ......!」

馬だけでなく、ミリューはフレールの手綱をも握っているようだ。
フレールはさっと馬に跨る。
そしてそこに姿を現したのはロセウスだ。
ジルをすぐにでも止められるように。
そして......。

>「今、レドルグはジルに憑依している状態です!
> ジルの体内から完全に切りはなさいと、こちらからは攻撃できません!」

>「・・大丈夫 そのためのお土産があるじゃないか」

>「十字架......ジャンヌの十字架は......!」

二ェストルとフィンの言う一つの道具。
ジャンヌの祈りの込められた十字架を使うために。

ジルに一語一語声をかけながらロセウスは歩み寄る。
彼のエールに対してジルは唸り声を上げるだけだ。
レドルグの支配下からは容易に抜けられないのだ。

だが......レドルグ自体は不快な表情をする。
感じ取ったのかもしれない。
自らを排除しうる神聖なる力について。

>「ジル!
> 魔神ごとき跳ねのけろ!
> お前は、戦争を勝ち抜いた英雄だろうがよ!

> 今ここに来ているジャンヌに、死してなお仲間であったお前を案じるジャンヌに、漢を見せんでどうするよ!」

そしてロセウスは......ジルのその手に彼女の証を託した。
ジルの手が十字架を包んだ瞬間。
接触点を中心に穏やかな光が彼を包んでいく。

彼の瞳は恐ろしげであるものの芯のあるものへと移り変わり。

「ぐ......はぁ......」

反対に彼にとり憑いていたレドルグは弾き出される。
かくしてレドルグの曖昧にして脆弱な本体が日の下に晒されることとなったのだ。

「貴様......なんてことをしてくれたのだ......!
 所詮竜になりきれぬ下賎な身の分際で。
 その煌めき......忌まわしき記憶が蘇る。
 かつて私が殺させたあの女がまたこうして邪魔をするというのか......」

ジルの身から離れたレドルグは明らかに余裕がなかった。
ロセウスに対して暴言を吐きつつも、不安でそして慌てているのは明らかだ。

「......まあ、よい。
 この男の心の弱さは誰よりも私が知っている。
 何度邪魔されようとも、私が何度もこいつの中に潜ませてもらおう。
 そしていつまでも繰り返すのだ。
 こいつの最大の絶望を味わえるその日まで」

だが、なにか思いついたかのように落ち着きを取り戻す。
彼の目的は明白だ。
再度ジルの体に入ろうと思っているのだ。

奴の行動を阻まねば、再度取り込まれてしまうかもしれない。

「さあ、再度我が人形となるのだ!
 青髭よ......!」

レドルグは霧状の体でジルを包み、染み込ませていこうとする。
この瞬間戦況の見定めに長けたエクセターがどうしてか動けなかった。
それでも冒険者たちにまだチャンスはあるかもしれない。

   *   *   *

「今が攻めどきでしょう......僕がサポートします。
 兄さんやロセウスさんもどうぞ攻めてください。
 ジルさん......あなたにも」

ロセウスは己の武器に魔法の強化がかかったことを感じ取れるだろう。
今ならば霧状の敵であっても打ち据えることができる。

全てを正すならば、今が最大のチャンスだ。


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あんみつ@GMより

進行しました。
スールはとりあえず精神的には落ち着きます。

ロセウスの行動でRPを1点獲得しても構いません。

ロセウスの十字架によってジルは解き放たれました。
ただ先制判定に使用した予備ダイスその1で全員失敗したので、
このままでは、レドルグの先攻となります。
指輪など使用されても構いません。
とりあえず先制判定の1ゾロ失敗はTPをあげるところですが、
内容次第でCPに変わります。

1Rレドルグはジルに再度【悪魔憑き】を使用します。

PC側のラウンドはお好きな行動をどうぞ。
位置についてはフレキシブルでいいかなーと思います。
つまり好きな場所からでどうぞ。

レドルグのダイスは全て固定値を使用します。
ミリューは前衛全員に【エンチャント・ウェポン】を行使しました。
フレール、ジルはPCたちが行動したあとも生きているようなら攻撃します。
ジルはデータ的には剣のかけら7つ分の強化を受けた【正騎士】相当です。
ただ呪い属性・精神効果属性の効果に対する抵抗には2点のペナルティを受けます。

フレールは《斬り返しⅠ》、ウォーホースは普通に、
ジルは《牽制攻撃》で攻撃する予定です。

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00:02:52 あんみつ@GM エンチャントウェポン4倍拡大・一括 2d6+4 Dice:2D6[1,4]+4=9