赤の守護者

 エクセター(あまとう) [2016/05/26 18:01:28] 
 

外はまるで別世界のように、清々しく過ごしやすい気候となっていた。
あの扉の先の光景は、もしかしたら夢だったのかもしれない。
そんな考えが浮かんでは消えるほどに、平穏な時間が流れている。

「スール...フレールとミリューはすぐそばにいるよ。
 カレンももうすぐ来るよ。
 誰もスールをいじめたりなんかしない、みんな一緒だよ」

私は木陰で休む虚ろな様子のスールに寄り添って、優しく声をかけ続けた。
フレールは辺りを警戒して、ミリューは馬を取りに行った。
若干手持ちぶたさとなった私は、ただスールに声をかけ続けることしか出来なかった。

辛くて悲しくてどうしようもならない時、今から何年前だろう、ここで言うなら何年先だろう。
私自身が、そうやって声をかけてもらって...一人ではないと勇気づけられたから。

たとえ返事が帰らなかったとしても...ただ、そうしてあげたいと思った。

「あいつは......!」

その時、フレールの怒りに満ちた声が聞こえた。
このタイミングで現れる人物なんて一人しか居ない、行かなければ。

「スール、ここに居てね。
 すぐにカレンが来てくれるから、スールは大人だから寂しくないよね?
 エクセターは...エクセターはフレールとミリューのお手伝いをしてくる」

スールにそうとだけ告げて、自らも声の方向へと赴いた。
移動すれば、その光景は直ぐに目に飛び込んだ。

「ふざけるな!
 俺は城の奥のあの部屋を見たぞ!
 お前が殺してきた死体が吊られている部屋をな......。
 あそこにスールも吊るすつもりだったんだろう!
 ――そんなことは、させてたまるか......!」

剣を抜き放ったフレールの眼前に立つ...青い髭を蓄えた男。
屋敷の絵でも、その姿を確認したことは有った。もっと言えばこの物語の表紙でも。

「あれがジル・アジュール。
青髭と呼ばれる男...」

フレールは今にも斬りかかる、といった様子ではなくあくまで冷静だ。
斬りかかるようであれば後ろから剣を撃つ必要があったが、そこはやはり騎士。

スールを苦しめた本当の邪悪は、青髭ではない。
フレールやミリュー...私達が立ち向かわねばならないのは、青髭の背後に潜むもの。

「うああああああああああああああ......!」

青髭が動揺したように悲鳴にも近い雄叫びを上げる。
それに呼応するように、それが現れたのだ。

「駄目じゃないか......。
 せっかく私が毎度毎度全てを忘れさせているというのに。
 まだ壊れてもらっては困るのだよ。
 壊れてもらってはな......」

「お、お前は......何者だ......!」

「......フレール兄さん!
 これは......いったい......」

突如現れた霧から響く声に動揺を露わにする二人に、間髪入れず声をかける。

「二人共急いで馬に!...早く!」

「こいつは魔神...魔神レドルグ!
 人の思いを利用して、青髭を操りあの惨劇を生み出した元凶!」

そう、こいつが。
こいつが、この悲劇を生み出した張本人。

背中に背負ったSMLEを構える。
その狙いは青髭ではなく、その背後の霧、魔神レドルグ。

「希望を貪る魔神。
 人を守護する兵士として、その存在を許すわけにはいかない!」

兵士として、冒険者として、人として。
一人の希望を持つ者として...私は戦う。

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PL・臨戦態勢!
それはともかくダイスがデンジャー!

・ダイス
予備ダイス1 2d6 Dice:2D6[1,1]=2
予備ダイス2 2d6 Dice:2D6[6,6]=12
予備ダイス3 2d6 Dice:2D6[1,1]=2

なにこれ!