赤の守護者
外はまるで別世界のように、清々しく過ごしやすい気候となっていた。
あの扉の先の光景は、もしかしたら夢だったのかもしれない。
そんな考えが浮かんでは消えるほどに、平穏な時間が流れている。
「スール...フレールとミリューはすぐそばにいるよ。
カレンももうすぐ来るよ。
誰もスールをいじめたりなんかしない、みんな一緒だよ」
私は木陰で休む虚ろな様子のスールに寄り添って、優しく声をかけ続けた。
フレールは辺りを警戒して、ミリューは馬を取りに行った。
若干手持ちぶたさとなった私は、ただスールに声をかけ続けることしか出来なかった。
辛くて悲しくてどうしようもならない時、今から何年前だろう、ここで言うなら何年先だろう。
私自身が、そうやって声をかけてもらって...一人ではないと勇気づけられたから。
たとえ返事が帰らなかったとしても...ただ、そうしてあげたいと思った。
「あいつは......!」
その時、フレールの怒りに満ちた声が聞こえた。
このタイミングで現れる人物なんて一人しか居ない、行かなければ。
「スール、ここに居てね。
すぐにカレンが来てくれるから、スールは大人だから寂しくないよね?
エクセターは...エクセターはフレールとミリューのお手伝いをしてくる」
スールにそうとだけ告げて、自らも声の方向へと赴いた。
移動すれば、その光景は直ぐに目に飛び込んだ。
「ふざけるな!
俺は城の奥のあの部屋を見たぞ!
お前が殺してきた死体が吊られている部屋をな......。
あそこにスールも吊るすつもりだったんだろう!
――そんなことは、させてたまるか......!」
剣を抜き放ったフレールの眼前に立つ...青い髭を蓄えた男。
屋敷の絵でも、その姿を確認したことは有った。もっと言えばこの物語の表紙でも。
「あれがジル・アジュール。
青髭と呼ばれる男...」
フレールは今にも斬りかかる、といった様子ではなくあくまで冷静だ。
斬りかかるようであれば後ろから剣を撃つ必要があったが、そこはやはり騎士。
スールを苦しめた本当の邪悪は、青髭ではない。
フレールやミリュー...私達が立ち向かわねばならないのは、青髭の背後に潜むもの。
「うああああああああああああああ......!」
青髭が動揺したように悲鳴にも近い雄叫びを上げる。
それに呼応するように、それが現れたのだ。
「駄目じゃないか......。
せっかく私が毎度毎度全てを忘れさせているというのに。
まだ壊れてもらっては困るのだよ。
壊れてもらってはな......」「お、お前は......何者だ......!」
「......フレール兄さん!
これは......いったい......」
突如現れた霧から響く声に動揺を露わにする二人に、間髪入れず声をかける。
「二人共急いで馬に!...早く!」
「こいつは魔神...魔神レドルグ!
人の思いを利用して、青髭を操りあの惨劇を生み出した元凶!」
そう、こいつが。
こいつが、この悲劇を生み出した張本人。
背中に背負ったSMLEを構える。
その狙いは青髭ではなく、その背後の霧、魔神レドルグ。
「希望を貪る魔神。
人を守護する兵士として、その存在を許すわけにはいかない!」
兵士として、冒険者として、人として。
一人の希望を持つ者として...私は戦う。
=====================
PL・臨戦態勢!
それはともかくダイスがデンジャー!
・ダイス
予備ダイス1 2d6 Dice:2D6[1,1]=2
予備ダイス2 2d6 Dice:2D6[6,6]=12
予備ダイス3 2d6 Dice:2D6[1,1]=2
なにこれ!