黒い霧
>「‥これは、魔神を呼び出すための物。決してジャンヌさん‥死者を呼び戻すなんてものではありませんっ!
幸い、まだ未完成です。完成間近というところですが‥おそらくあと一人程度の血で出来上がってしまっていたでしょうね‥」
魔法陣をしらべたカレンさんが語気を強めてそう言った。
あと一人。つまり。
「スールさん......」
僕はやるせない気持ちでつぶやく。彼女は青ひげのことを、「あの人は優しい」と言っていた。
あらためて、レドルグの残酷さに嫌悪感がつのる。
3人が部屋を飛び出していってから、ネスさんは鍵についた血を渡したハンカチでぬぐった。
べっとりとついた血はふきとれたけれど、どす黒い染みがのこった。まるでこの鍵の色そのものみたいな。
おなじことが、何回も繰りかえされている......。この鍵に染みついた色のぶんだけ、絶望が積み重なっている......。
僕はもういちど壷を見て、くちびるをかんだ。
「......行きましょう」
僕とネスさんはできるだけ急いだ。城の玄関までたどりついたけど、そこにはだれもいない。
「外でしょうか」
おたがい周囲を見まわしてから、門の外をめざす。さっきまでのよどんだ空気がうそみたいに、門から見える草原は明るくまぶしく、風は清らかだ。
と、外からフレールさんの声が聞こえた。
>「お、お前は......何者だ......!」
うわずった調子から、すでに『何か』が起こっていることを察する。
僕は門からとびだした。
>「......フレール兄さん!
これは......いったい......」
二頭の馬の手綱をひくミリューさんとはちあわせをしそうになった。あわてて飛びのく。
見れば、ネスさんやロセウスさんに教えられたとおりの人相の男が苦しみもがいている。あれが、青ひげ...ジル。
その背からは、黒い霧が吹きだしている。異様な光景だった。
>「二人共!急いで馬に!早く!
こいつは魔神...魔神レドルグ!
人の思いを利用して、青髭を操りあの惨劇を生み出した元凶!」>「希望を貪る魔神。
人を守護する兵士として、その存在を許すわけにはいかない!」
エクシーがそう叫んで銃をかまえた。
だれかがこの状態でジルを攻撃してしまう前に、僕も声をふりしぼって叫んだ。
「今、レドルグはジルに憑依している状態です!ジルの体内から完全に切りはなさいと、こちらからは攻撃できません!」
手段はいくつかある。高位の神聖魔法のほかに、憑依している対象、つまりジルの命をうばうことも可能性としては考えられる。だけど、それでいいのか。
レドルグはどう出る。おそらくは......。
「やつはこの状態でも魔法が使えます!このままではきっと、ジルの肉体を盾にされます!呪いをとく方法は......」
僕は必死で頭をめぐらせる。そうだ、ロセウスさんが聖女からなにかを託されたと言っていたはず。
「十字架......ジャンヌの十字架は......!」
呪いをやぶる、力にならないか。レドルグの動きを注視しながら、僕はふるえる声をおさえ、なんとかそう言った。
――PL(雪虫)より―――
ともかく合流します。
今の状態ではレドルグを攻撃できないということをオルドル兄弟含め全員に伝えます。
ロセウスさんがジャンヌからクリスタルの十字架を預かった、という話を応接間で聞いていると思うので、「十字架」というワードを出してみます。
【予備ダイス】
19:47:29 雪虫@フィン ≫ 予備ダイス1 2d6 <Dice:2D6[5,2]=7>
19:47:38 雪虫@フィン ≫ 予備ダイス2 2d6 <Dice:2D6[2,6]=8>
19:47:45 雪虫@フィン ≫ 予備ダイス3 2d6 <Dice:2D6[5,1]=6>
期待値!