フラッシュバック
続々と駆けつける仲間たち、その中でロセウスが言葉とともに十字架を青髭へと手渡した。
刹那、十字架から放たれた暖かな光。
その光に押し出されるようにして、レドルグは青髭の肉体よりはじき出された。
攻めるとしたら今しかない!
私はいつもの様に、先制攻撃を仕掛けようと...動くはずだった。
「そしていつまでも繰り返すのだ。
こいつの最大の絶望を味わえるその日まで」
レドルグの吐き捨てた、その言葉に動きが止まる。
全身に寒気が走るような奇妙な感覚、私は...どこかでこの感覚を...?
非現実的な既視感に原因を、理由を求めようと記憶を、記録を再生し始める。
その瞬間、思考の中にノイズが発生し、思わず苦悶の声が漏れる。
「あっ...ううぅ...あ、あれは!?」
わたしは、私は幻覚を見ているのだろうか。
弾き出されたレドルグのその、霧の体の向こう側に誰かがいる。
至る所が劣化を始めた傷だらけのSMLE。ほとんどボロ布のようになった赤い外套。
いたるところに返り血を浴びて、うつむくように佇む赤髪の少女。
しかし少女の放つ気配は憎しみと増悪に満ちているようで、まるで生気を感じられない。
感覚的なものだが...彼女はきっとこの世界を恨み、呪っている。理由まではわからない。
どうして自分がそんなことを、感じてしまうのかも...わからない。
怖い。私はそれが誰か知っている気がするが、思い出すのが怖い。
けど、どうしてもその赤髪の少女から目線を離すことが出来ない。
ああ、少女が顔を上げる。駄目だ、見たくない。
どれだけ必死に体を動かそうとしても、凍りついたように体が動かない。
まるで自分の体ではなくなってしまったかのように、ただ見つめることしか出来ない。
―少女が顔を上げた。
私は彼女を知っていた。
彼女の名前は「エクセター」
そこに居たのは「私」だ。
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M E M O R Y E R R O R
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映像が途切れる瞬間、頭の中を直接かき回されたような苦痛に苛まれる。
おぞましい感覚から逃避するように、目を見開くとすでに少女の姿はなかった。
それどころか、何分も佇んでいた気がするのに、辺りに全くそんな様子はない。
不快に感じる顔の汗を無意識に拭おうと顔に手をやる、ペチャリと奇妙な感覚があった。
恐る恐る確かめると、手には血液が付着している。
その時初めて、自分が鼻血を流していることに気がついた。
「さあ、再度我が人形となるのだ!
青髭よ......!」
「し、しまった...!」
そう感じた時点で、すでに遅かった。
先ほどの出来事に呆然とした私は、構えた銃を降ろしてしまったのだ。
血の付着した手で急いで、銃を構え直すが、もう間に合わない。
「エクシー!どうしたの、しっかりして!」
「おいエクセター、あの魔神にでかい絶望を一発頼むぞ!」
仲間の声が聞こえる。
その声に、私は応えなければならない!
ロセウスが機制を制したこの戦場、見事な手腕だった。
だから、その手腕に答えるだけの銃撃を見せる必要がある。
もう動揺はない。
サイト越しに、揺らぐ霧を狙い。撃ちぬいた。
「go to hell!(くたばれ!)」
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PL・遅れましたが、銃撃を仕掛けます!
現在距離は、レドルグ-11m-エクセター という位置取りにしようと思います。
エクセターが何を見たのかは定かじゃありませんが、
脳の負荷が限界を大きく超えると、体が耐え切れずに鼻血が出る
って言う設定の小説か映画がどこかにあった気がします。
ダイス・
気を取り直してダイス タゲサ込クリティカルバレット 命中 2d6+10 Dice:2D6[4,2]+10=16
R20@9+7 Dice:R20@9[3,4:5]+7=12 12点ダメージ