【F-1-1】兄たちの思い
>「あっ...ううぅ...あ、あれは!?」
先手を取ろうと動き出そうとしたエクセターは。
レドルグの放った言葉で心を乱される。
彼女のメモリに浮かび上がった映像は、彼女の足を止めてしまった。
その合間を抜けたのがロセウスである。
彼らは指輪を割りながらも軍師としての力量で機先を制した。
>「―――〈光矢〉」
――まず最初に飛んできたのは光の矢。
レドルグへの怒りで我を忘れたフィンの魔法は、霧の体を確実に貫いた。
>「さぁ 舞台を降りる時間だ」
>『ぶーんと 飛んでけー!!』
続くのはネスと風の妖精の力による矢の一撃。
フィンの光の矢とは別の位置に風穴を開ける。
>「pour forcer le lien...」
>「ロセウスさん、エクセターちゃん!お兄さんたちも!
> あなたが今、護りたい人の名前を呼んで下さい!リルズ様が力を貸してくださいますっ!」
そして念の為にうち漏らした時のことを考えて、カレンはリルズに由来する奇跡を起こす。
これは大切な者の名を言うことで、呪いへ打ち勝つ力を与えるものだ。
後方の彼らが動いたあと。
戦場へ飛び出していたエクセターとロセウスが動き出す。
ロセウスは魔法を帯びた斧で裂き。
エクセターはご自慢の銃撃で貫き。
レドルグの体を消し飛ばす。
「ば、馬鹿な......!
まだ......この男の......最上級の絶望を味わっていないというのに......!
うぐ......ぐわあああああ!」
――断末魔。
周囲に残されたのは魔神の血液だけだった。
* * *
レドルグが完全に消滅した頃。
ジルはがっくりとその体を地に落とす。
「わ、私は......一体......」
彼は痛みに耐えるかのように、頭を抱えている。
その手に十字架を握りながら。
「教えて欲しいのは、俺たちの方だ。
あの霧の悪魔に操られていたのか?
それで、あんなことを......」
ジルのもとに歩み寄っていくのは、馬から降りたフレールだった。
先程までの燃え上がるような怒りは潜んでいる。
「あんなこと......そうか。
私は、私の手は......妻たちの命を奪っていたのだな。
――そして」
掌を広げ、どこか恨めしく悲しそうに見つめた後。
ジルはスールの方を見やる。
カレンの後ろで彼女はジルをじっと見つめていた。
「そうだ、俺やエクセターたちがもし来ていなかったら。
あんたは......同じようにスールを殺していたかもしれない。
たとえ操られていたからだとしても。
――そんなことをすれば、俺はあんたを......」
フレールは力を入れて拳を握る。
一方のミリューは一旦スールたちのいる場所まで向かってくるようだ。
「スール、落ち着いたみたいですね。
良かった。
カレンさん、ありがとうございます」
カレンに少し挨拶をしてから、ミリューはスールに話しかける。
「もう動けそう?
だったら、僕らと行こう」
最初の約束通り、ミリューはフレールと一緒にスールのことを連れ帰るつもりなようだ。
ミリューは優しくゆっくりと手を伸ばしたが。
「兄さん......。
わ、わたしは......」
スールはその手に応えようとして、途中で止める。
彼女は迷っているのだ。
* * *
「操られていただけのあんたに罪は本当はないかもしれない。
だが、それでも俺はあんたのことを信用できない。
だからスールは連れて帰る。
あんたには文句は言わせない」
フレールはそれだけ言ってミリューとフレールが待つ場所へ向かおうとする。
言いたい放題言われたジルはただ......項垂れているだけだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
戦闘は無事PC側の勝利です。
エクセターの銃撃については例外的に一行掲示板のものを拾っておきました。
先ほどの1ゾロはTP増加としておきます。
ここから先はエンディング決定シーンです。
といってもあまり長々やるとだれるの2、3進行で片付けていきたいなと思っております。
その場合延長期間に突入する必要がある可能性もございますので。
その際は改めてご連絡させていただきます。
とりあえず現時点では兄弟がスールを連れて帰りそうな雰囲気です。
このカテゴリに記事を投稿する際は、
カテゴリ『1-選ばれる道』にチェックを入れて投稿してください。