【F-1-1】兄たちの思い

 GM(あんみつ) [2016/05/30 00:15:50] 
 

>「あっ...ううぅ...あ、あれは!?」

先手を取ろうと動き出そうとしたエクセターは。
レドルグの放った言葉で心を乱される。
彼女のメモリに浮かび上がった映像は、彼女の足を止めてしまった。

その合間を抜けたのがロセウスである。
彼らは指輪を割りながらも軍師としての力量で機先を制した。

>「―――〈光矢〉」

――まず最初に飛んできたのは光の矢。
レドルグへの怒りで我を忘れたフィンの魔法は、霧の体を確実に貫いた。

>「さぁ 舞台を降りる時間だ」

>『ぶーんと 飛んでけー!!』

続くのはネスと風の妖精の力による矢の一撃。
フィンの光の矢とは別の位置に風穴を開ける。

>「pour forcer le lien...」

>「ロセウスさん、エクセターちゃん!お兄さんたちも!
> あなたが今、護りたい人の名前を呼んで下さい!リルズ様が力を貸してくださいますっ!」

そして念の為にうち漏らした時のことを考えて、カレンはリルズに由来する奇跡を起こす。
これは大切な者の名を言うことで、呪いへ打ち勝つ力を与えるものだ。

後方の彼らが動いたあと。
戦場へ飛び出していたエクセターとロセウスが動き出す。
ロセウスは魔法を帯びた斧で裂き。
エクセターはご自慢の銃撃で貫き。
レドルグの体を消し飛ばす。

「ば、馬鹿な......!
 まだ......この男の......最上級の絶望を味わっていないというのに......!
 うぐ......ぐわあああああ!」

――断末魔。
周囲に残されたのは魔神の血液だけだった。

   *   *   *

レドルグが完全に消滅した頃。
ジルはがっくりとその体を地に落とす。

「わ、私は......一体......」

彼は痛みに耐えるかのように、頭を抱えている。
その手に十字架を握りながら。

「教えて欲しいのは、俺たちの方だ。
 あの霧の悪魔に操られていたのか?
 それで、あんなことを......」

ジルのもとに歩み寄っていくのは、馬から降りたフレールだった。
先程までの燃え上がるような怒りは潜んでいる。

「あんなこと......そうか。
 私は、私の手は......妻たちの命を奪っていたのだな。
 ――そして」

掌を広げ、どこか恨めしく悲しそうに見つめた後。
ジルはスールの方を見やる。
カレンの後ろで彼女はジルをじっと見つめていた。

「そうだ、俺やエクセターたちがもし来ていなかったら。
 あんたは......同じようにスールを殺していたかもしれない。
 たとえ操られていたからだとしても。
 ――そんなことをすれば、俺はあんたを......」

フレールは力を入れて拳を握る。
一方のミリューは一旦スールたちのいる場所まで向かってくるようだ。

「スール、落ち着いたみたいですね。
 良かった。
 カレンさん、ありがとうございます」

カレンに少し挨拶をしてから、ミリューはスールに話しかける。

「もう動けそう?
 だったら、僕らと行こう」

最初の約束通り、ミリューはフレールと一緒にスールのことを連れ帰るつもりなようだ。
ミリューは優しくゆっくりと手を伸ばしたが。

「兄さん......。
 わ、わたしは......」

スールはその手に応えようとして、途中で止める。
彼女は迷っているのだ。

   *   *   *

「操られていただけのあんたに罪は本当はないかもしれない。
 だが、それでも俺はあんたのことを信用できない。
 だからスールは連れて帰る。
 あんたには文句は言わせない」

フレールはそれだけ言ってミリューとフレールが待つ場所へ向かおうとする。
言いたい放題言われたジルはただ......項垂れているだけだ。


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あんみつ@GMより

戦闘は無事PC側の勝利です。
エクセターの銃撃については例外的に一行掲示板のものを拾っておきました。
先ほどの1ゾロはTP増加としておきます。

ここから先はエンディング決定シーンです。
といってもあまり長々やるとだれるの2、3進行で片付けていきたいなと思っております。
その場合延長期間に突入する必要がある可能性もございますので。
その際は改めてご連絡させていただきます。

とりあえず現時点では兄弟がスールを連れて帰りそうな雰囲気です。

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