選ぶのは、自分です。
>「ば、馬鹿な......!
> まだ......この男の......最上級の絶望を味わっていないというのに......!
> うぐ......ぐわあああああ!」
悪趣味な断末魔と共に、趣味の悪い魔神は消滅しました。
といいますか。強くないですかね?魔神が瞬殺されてますよ?
魔神のことはともかく。
ジルさんはどうやら、これまで自分が何をしでかしたのか、自覚はある様子。
ここは言い訳などせずに正々堂々と懺悔し、悔い改めていただきたいところです。
>「スール、落ち着いたみたいですね。
> 良かった。
> カレンさん、ありがとうございます」
フレールさんがジルさんを問い詰めている間に、ミリューさんがこちらへとやってきました。
「いえ、わたしに出来ることなんて少ないので、出来ることをやったまで、です」
わたしとの会話‥挨拶もそこそこに、ミリューさんは本題を切り出していますね。
>「もう動けそう?
> だったら、僕らと行こう」
そう。お兄さんたちは、ジルさんがこういう結果だった場合にはスールさんを連れ戻す、と言っておりました。
ですが、ジルさん自身の意思だったわけではなく(いえ、多少はジルさんの意思も介在していたのかもしれませんけど)、魔神の能力によるものであったはずです。
>「お前さん結局、これまでの妻たちとそれからスールを、ちゃんと愛していたのか?」
向こうで、ロセウスさんがジルさんを問い詰めているこの言葉。
これは逆にも当てはまると、わたしは思うのです。
「‥待ってください。
確かに、スールさんは危険な立場にいらしたかもしれません。ですが、魔神を討ったことにより、その危険は去ったと思います。
それなのに、本人さんたちの意思を無視して連れて行くのは正しいのでしょうか?
勿論、先ほどまではわたしも、そうすることが正しい絆を導けると思っていました。
ですが、どうでしょう?今のジルさんは、スールさんを不幸に導く相手でしょうか?」
>「兄さん......。
> わ、わたしは......」
迷っている様子がありありと伝わるスールさん。
迷っている、ということは、ジルさんと共に在りたい、という気持ちがゼロではない、ということです。
まだ魔神の脅威が残っているのならともかく、今となってはそれを危惧する必要はないでしょう。
ならばどうなることが、2人にとって幸せなのか?
お兄さんたちは、まだジルさんと共に在りたいと思うスールさんを、それでもジルさんから引き離してスールさんが本当に幸せになれると思っているのでしょうか?
「‥ミリューさん。これは、わたしたち外野が決めて良いことだとは思いません。
一晩でも結構です。スールさんご自身に、考えて頂いて決めて頂きましょう?
意見を押し付けるのは簡単でしょう。血の繋がったご兄弟ですし、スールさんご自身もお兄さんたちを慕っていらっしゃる様ですし。強く意見を言えばきっとスールさんはお兄さんたちに従うでしょう。
ですが、それはスールさんの‥心からの想いとは違うかも知れません。
心からの絆。それが正しい形であるならば、わたしはそれを見守りたいのです」
真っ直ぐにミリューさんを見つめ、わたしは自分の言いたい事を伝えました。
ここから先は、スールさん次第ですかね‥。
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PL こるべっと
スールさん連れて行くのに反対!と意思表明です。
正確には反対ではなく、「そこはお兄さんが決めることじゃないでしょ。本人に決めさせてあげなよ」っていうスタンス。
ミリューさんとスールさんの相手しててジルの相手なんか出来ないよ!w