色とりどりの幸せ
ネスの背に隠れた後、今度は楽しげな演奏が始まった。
その演奏に耳を傾けて目をつぶっていると頭のなかで、何かが聞こえて。
もう一度目を開いたら、もうそこは童話の世界ではなかった。
「帰って...きたの?」
ネスの後ろからぴょんと離れて、辺りを見回す。
間違いない、本を最初に読んだ場所だ。
「やあ、おかえり」
依頼人である...えーと。
エなんとかさんだ。
よくわからないけどここにいるってことは、あれは全部夢か何かだったのかな。
そう感じたけど、けどそうでないという証明にいつの間にか手に栞が握られていた。
青色の、悲しい気持ちがこもった栞。
悲しいって悪いことじゃないと思う、傷ついて悲しまないと、
他の誰かが悲しんでる時、どれくらい苦しいかわからないから。
苦しくて辛いことを知れば知るほど、心が迷うけどそれをバネにしていく人がいる。
悲しいことがあるから楽しいことを喜べるんだと思って、エクセターは生きていきたい。
「そう言えば、皆さんは栞は何色でした?
わたしはピンクだったのですけど」
カレンがピンク色の栞を持ってそんなことを言っている。
ピンク色にはどんな思いが込められているんだろう?
「エクセターのはほらっ、青色!
ホントは赤のほうが好きだけど、青も嫌いじゃないよ。
赤一色より、虹みたいに色んな色があったほうが楽しいからね!」
きっとそうだ、色んな色があるから世界は楽しいんだ。
その事実を実感として噛み締めながら、にこやかな笑みを浮かべた。
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それから数日後、エクセターは日の当たるお庭で絵を描いていた。
題材は、青髭の物語。
本来の表紙の絵は青くておどろおどろしかったけど、私が描くそれは違う。
黄色の小鳥、緑の草原、白い雲、赤い花や果実たち。
色とりどりの鮮やかな世界で過ごす二人の人物。
笑みを浮かべた妻である女性と、こちらも楽しげに微笑む青い髭の人物。
二人はこれからは幸せに暮らしていく、大変なこともあるだろうけど、
それすらもきっと乗り越えていくだろう。
タイトルは...「色とりどりの幸せ」
「物語はハッピーエンドじゃないと
そうだよね?」
静かに完成の時を迎えた自分の作品に、ただ語りかける。
そして最後に、絵の隅に「Exeter」と描き入れて、筆を置いた。
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PL・完結!
皆様お疲れ様でしたー
持ち込んだおえかきセットを最後に使う!
今回フルメンバーで色々絡めたり絡めなかったり新鮮で楽しかったです(`・ω・´)シャキーン
というわけで報酬を受領致しますー
加えて、絵「色とりどりの幸せ」をメモリーアイテムとして受領してもよろしいでしょうかー
・ダイス
青髭の思い出お絵かき 2d6+7 Dice:2D6[2,5]+7=14 まぁまぁ!