【A-2-3】瞳の違和感
>「......ふぉぉ」
庭のそばの部屋にやってきたカプリは、椅子の上の灰色の猫を見つける。
ちょっとだけ近づいてみれば......。
その猫は不思議そうな瞳でカプリのことを見つめ返したことであろう。
そんなカプリが猫のことをじっくり見つめてみればちょっとだけ違和感を覚えるだろう。
なんだろう、本当にちょっとだけの違和感なのであるが。
この灰色の猫、ちょっとだけカプリのよく知る動物たちと違う感じがするのだ。
居住まいや雰囲気がどことなく、というレベルではあるが。
そんなことを感じながら一旦カプリはお菓子の傍までやっていき。
>「ねえ、ねこはどうしてたおれてたの?」
まずはヴィクトリアに一つご質問。
内容は猫が倒れていた理由についてだ。
「それが......よくわかりませんの。
何か食べさせてあげたら元気になったようですので......。
お腹がすいていただけかと思っておりますけど。
病気についてはよくわかりませんが......怪我はしていないと思いますわ」
どうやらヴィクトリア曰く、猫は餌をやれば元気になったという。
カプリの目から見てもヴィクトリアの推測は概ね正しいだろう。
「まあ、とりあえず猫自体は無事でしたわ。
ただ私たちが困っているのはここからですの。
まずこの猫が一体どこの猫なのか調べないといけませんわ。
もし誰かが飼っている猫でしたら、飼い主に返さねばなりませんし。
そして野良猫であるのならば、ここまで手を差し伸べた以上無下にすることもできませんわ。
かといって、いきなり育てるには道具が足りませんの。
――まあ付け焼刃に本を一冊持ってきてはみましたが」
どうやらヴィクトリアの悩みとはこの猫の処遇についてらしい。
まず飼い猫なのか野良猫なのか判別をつけねばならず。
どちらであっても、それなりの動きをしなければならないとのことだ。
そんなヴィクトリアの悩みには一切興味がないかのように灰猫はくるりと丸まったままだ。
かと思えば急にむくりと顔を上げ、椅子の上から飛び降りた。
そしてカプリとヴィクトリアの座るテーブルの方に歩いていき。
地面を這いずるかのようにドレスを身に着けたヴィクトリアの下を潜っていく。
向こう側に出てから、にゃあとひと鳴き。
その時の猫の目は......どことなく気持ち悪かった。
なんとなく破廉恥な感じだ。
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あんみつ@GMより
カプリルート進行です。
予備ダイスは真偽判定に使用しました。
出目が11となり最低ラインの10を超えたので、
なんかこの猫動物っぽくないぞ、とちょっとだけ思いますね。
ちなみにヴィクトリアの悩みとはどんな猫か判断しなければならないとのものみたいです。
あとはお菓子を食べるなりお好きにどうぞ。