【A-2-7】お仕事はチケット売り
>「いいよー。
> 人助けだからね、お礼は別にいいの」
軽く音を鳴らしながら、そう言ってヴィクトリアの頼みを承諾する。
「ほんまか、カプリちゃん!
恩にきるでぇ......」
グレイはというと図々しく体を擦り付けようとしてくる。
ちょっとウザイかもしれない。
「本当に助かりますわ。
それで、カプリさんとあなたに頼みたいことなのですが......」
ヴィクトリアはちょうど廊下を横切った使用人に声をかけ。
とあるものを部屋まで持ってこさせる。
そのものとは――やや小さめな袋であった。
「中を見て頂ければ、わかると思いますが。
その中に入っているのはある楽団の公演のチケットですの」
カプリが中を開けば、紙が幾つか入っているのがわかるだろう。
トゥルー・ソウルズと名前が書かれているのも見える。
「今日の日没頃から始まる予定なのですが。
上手くお客様を集めることができなくて困っていましたの。
そこで、他の方に手を貸して頂きたいと思っていたところでして。
カプリさんたちに観客を集めていただくお手伝いを......。
つまり街でチケットを売り歩いて欲しいのです」
ヴィクトリアの頼みとは......。
このトゥルー・ソウルズという楽団のチケットを売りさばいて欲しいというものだった。
ただ上手く売れないのは売れないなりの訳があり。
「ただ、一つだけ大きな懸念点があるとすれば、彼らが皆蛮族であるということですわ。
まだこの地方では名が知られているとは言い難いですし。
正直なところ、忌み嫌われたり恐れられたりすることもあると思いますわね」
構成員は全て蛮族であるのだという。
だとすれば、一般人たちの反応が悪くなるのも致し方ないだろう。
「なら、どうしてそんな連中の公演の手伝いをしとるんです?」
グレイの問いかけも当然だ。
それに対してヴィクトリアの回答は。
「私が会話した限りでは、悪い方たちではございませんでしたわ。
多少変わったところがあったことは否定いたしませんけども。
それに......いえ、わざわざ語ることではありませんわね」
話してみて悪い人ではなかったから、というのがひとつの理由。
だが、それ以外にも本当の理由がありそうであったが。
途中で語るのをやめてしまった。
「まあ、ええですわ。
とにかく俺たちがチケットを売り捌けばいいっていう話ですやろ?
こういう仕事は正直向いとる気がしますわ。
頑張ろな、カプリちゃん」
とりあえずグレイはそれ以上は追求せずに、チケット売りに協力する旨を告げる。
彼自身の目的はヴィクトリアへの恩返しなのだから、当然だろう。
「もし、今私にできることがありましたら、どうぞ仰ってくださいね。
お手伝いしていただけること、本当に感謝しておりますもの」
何か頼みたいことがあれば、頼めばいいだろう。
何もなければ、この部屋をあとにするだけだ。
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あんみつ@GMより
カプリルート進行です。
ヴィクトリアが頼みたいのはチケットの売り子でした。
ヴィクトリアからチケットが入った袋を受け取れます。
また【トゥルー・ソウルズ】については見識判定が可能です。
もしヴィクトリアに頼みたいことがあれば、今のうちにどうぞ。