きょうかいせん

 カプリ(一葉_3) [2016/05/28 21:58:39] 
 

> 「本当に助かりますわ。
>  それで、カプリさんとあなたに頼みたいことなのですが......」
> 「中を見て頂ければ、わかると思いますが。
>  その中に入っているのはある楽団の公演のチケットですの」

「トゥルー・ソウルズ。
 へえ、劇団かあ。すごいねえ」

 きちんとした場所で演奏をして、それでお金をもらう人たち。
 私のように流れながら歌うのとは、ちょっと違う。

> 「今日の日没頃から始まる予定なのですが。
>  上手くお客様を集めることができなくて困っていましたの。
>  そこで、他の方に手を貸して頂きたいと思っていたところでして。
>  カプリさんたちに観客を集めていただくお手伝いを......。
>  つまり街でチケットを売り歩いて欲しいのです」
> 「ただ、一つだけ大きな懸念点があるとすれば、彼らが皆蛮族であるということですわ。
>  まだこの地方では名が知られているとは言い難いですし。
>  正直なところ、忌み嫌われたり恐れられたりすることもあると思いますわね」

「ばんぞく」

 たとえばゴブリン、ボガード。
 蛮族は人族とながく戦いつづけているしゅくてきの"穢れ"持ち。
 わたしは旅のさなかでいろんな人とはなし、かれらの文化にふれてきた。そうして積みあげてきたちしきが、楽しいことと楽しくないことをみきわめるものさしになっている。

> 「私が会話した限りでは、悪い方たちではございませんでしたわ。
>  多少変わったところがあったことは否定いたしませんけども。
>  それに......いえ、わざわざ語ることではありませんわね」

> 「まあ、ええですわ。
>  とにかく俺たちがチケットを売り捌けばいいっていう話ですやろ?
>  こういう仕事は正直向いとる気がしますわ。
>  頑張ろな、カプリちゃん」

> 「もし、今私にできることがありましたら、どうぞ仰ってくださいね。
>  お手伝いしていただけること、本当に感謝しておりますもの」

「んー」

 わたされたチケットをしこし眺めて、むうんとむずしい顔で悩んで。
 それから、ヴィクトリアさんに首をふってみせた。

「それだけじゃあ、おてつだいできないの。
 ヴィクトリアさんを信用できるということと、へいおんなくらしをのぞんでいる人たちが
 ヴィクトリアさんの信用する蛮族の人たちを信用できるかって、べつのはなしだよ」

 ふるさとを焼かれた人たちがいる。したしい人を殺された人たちがいる。
 それらの咎はけして蛮族だけがおうものではなく、人族だってだいなりしょうなり同じようなことはしているとしても、旅烏には旅烏としての流儀と礼儀がある。
 わたしはコンチェルティアのカプリではないのだから。


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PL@一葉より:
 迷ったんですが、ちょっと話を進める前に確認を。

 蛮族の楽団がコンチェルティアという小さくない街の規模で演奏会をするという話ですが、
 そのパトロン(スポンサー?)に地元の有力な貴族が付いているというのは
 ソードワールド2.0の世界観としてびみょんなのではないでしょうか(''

 ぶっちゃけ、一般人の認識としては蛮族ってゴブリンやボガードな訳ですよ。
 そもそもお互いの信仰してる神も相容れてないし、文化的には大変面倒だと思うんですよね。

 バルバロス・テイルズの蛮族PCの欄に、以下のような記載があります。
「蛮族は基本的に人族の敵であり、種族単位で協調できることはまずありません。
 友情関係が築けるとするならば、個人と個人、あるいは、それに類する小集団に限られます」
「人族と蛮族が行動を共にしていることは極めて稀で、かなりの弊害があります」
 まあ、名誉点250程度で「都市レベルで受け入れられている」程度の称号も得られるんですけど。
 そこはいささか基本設定と難度が矛盾してる気もしますが(英雄候補だからですかね?)。

 それらを踏まえて「蛮族が」「地元の有力者の支援で」「商業的興業を行っている」という
 状況にトラブルの種がないとは考えづらく、
 その上でそもそもコンチェルティアという集団に所属していないカプリが触れるには
 若干ハードルが高いなーと、そういうあれこれでこんな反応になっております。
 実際にチケットの売上は芳しくないようですし、知名度も目標値から見て低そうですし。


 と、ここまでは素のPLとしての想いです。

 ですが「そもそもそーいうメンドウな事を考えるセッションじゃないんじゃ?」とも思います。
 これがシリアスなシティアドだったら確実に断るか黒カプリで遊びに行く所ですが、
 今回はただぶらぶらしようかなーという思いで来ているので、
 これから先に進む前にGMに一度確認を入れさせてもらえればと思いまして。

 トゥルー・ソウルズが蛮族で構成されているという件、
 世界観としての基本設定は深く考えずに「ちょっとした弊害」と認識してよいですか?
 という点について、ご回答願えれば幸甚です。


 どうやってチケット売るか考えてた時に、
 むしろ「蛮族だけどこんないい音楽演奏するんだよ」って
 ネコとネココスプレでハロウィン的な大道芸パフォーマンス即売会を思いついたんですが、
 いやでも蛮族だよ。トラブルだろ。っていう可能性が拭えなくて。
 蛮族である事を隠してたら余計ヤバイし。というのがここに至るまでの裏話(''