【A-3-1】公園でのけんか
――ことのはじまりはティキが妖精からある話を聞いたことであった。
内容は簡潔に言うと......こうだ。
妖精ネットワークで聞いた話によるとテンペストが最近暇らしい。
なので面白い土産話を要求しているとのことだ。
別に大きな事件ではないのだが......。
ティキには翼の王国から帰ってから特に重要な仕事はなかった。
そこで同じくテンペストと邂逅したことがある仲間であるヴェンデルベルトと共に、
久方ぶりにコンチェルティアの街を訪れたのであった。
別にすぐに森を訪れても良いのだが。
約束しているわけではないし、急ぎの要件でもない。
よって二人は一度街で休んでから森へ尋ねることとした。
休むと決めたからには重要となるのは宿探しである。
どこか泊まれる場所はないかと久々の景色を眺めながら歩いていた二人がたどり着いたのが......。
5番街の中央部にある小さな公園であった。
* * *
お昼前の公園は静かであった。
晴れた朝ののんびりとした住宅街。
まだ住民たちは家でゆっくりしているのだろうか。
ティキとヴェンデルベルトが街並みを過ぎ去ろうとしていたその頃。
公園に向かって走ってくる二つの影が見えた。
前を走っているのは明るい茶色の髪をした女の子。
その後を追っかけているのは女の子より少し背が小さい銀色の髪をした少年だ。
「お、おい......!
待てってば、なあ......アイリ!」
息を切らせながら少年は少女に向かって声をかける。
アイリと呼ばれた彼女は一旦止まって振り返る。
雰囲気からしてどうやら銀髪の男の子に対して怒っているようだ。
「ねえ、ついて来ないでくれる?
アポロのことなんてもう知らないんだから!
はあ......ほんと信じられない。
もうアポロとは絶交よ!」
そういえばこのアポロという少年にはほんの少しだけ見覚えがある気がする。
あの日テンペストと出会ったあとに飛ばされていった先にいた少年だ。
彼の名前も確かアポロなどと呼ばれていたような気がする。
「だから、ごめんって言ってるじゃんか!
これからあいつのこと探すつもりなんだろ?
おれも手伝うからさ、頼むよ、許してくれよー!」
結構激しく当たられているアポロは少し泣きそうな表情になっていた。
けれどアイリの気持ちは収まらない。
「悪いと思っているならわたしの邪魔しないで!
わたし、本当に怒ってるんだからね......!
アポロは一人で遊んでなさいよ、それじゃあバイバイ!」
もうちょっとだけアポロに当たり散らしてからアイリは5番街の向こうへと走り去った。
公園に残されたのはがくっと頭を下げたかわいそうなアポロだけである。
「なんだよ、アイリのやつ。
おれが悪いのもわかってるけどさ。
許してくれたっていいんじゃんかよ......ん?」
ちょっと顔を上げたところで、アポロはティキとヴェンデルベルトに気づいたらしい。
「どっかで見たことあるよーな......ま、いっか。
はあ......どうしたら許してくれるのかなあ」
アポロはほんの一瞬だけ二人のことを気に留めたようであるが。
すぐにまた落ち込み始めてしまった。
アポロの方も二人についてよく知らないのだろう。
例えばティキとヴェンデルベルトが困ったときの助けになる冒険者であることも。
――尤も冒険者の側にも助けるか助けないかの選択の余地はあるのだが。
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あんみつ@GMより
こちらティキとヴェンデルベルト用のルートです。
二人の投稿はこちらのカテゴリにお願い致します。
【NPC:女性】に【テンペスト】を登録しておきます。
二人はテンペストの暇つぶしに付き合うという名目でコンチェルティアを訪れています。
テンペストはおそらく本筋には絡みませんが......。
希望があればエンディングやその他にちょっとだけ出てくるかもしれません。
【NPC:男性】に【アポロ・カリス】を
【NPC:女性】に【アイリ・ネイヴァー】を登録しておきます。
お二人は次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の3つです。
・アポロに話しかける
・アイリを追いかける
・二人とも無視していく
他にも何かございましたらお好きにどうぞ!
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