彼の言葉を待っている
少年は力なくうなだれたまま、こちらへ顔を向ける。
「おれのこと知ってるってことは――やっぱどっかで見たことあったんだ。
もしかしてフィンと知り合い?」
その言葉にしかりと頷いてやりながら、地面に置かれた槍と荷物を持ち上げた。
良かった。少女の方にはティキが行ってくれるようだ。
任せる、と返事を聞かずに駆けて行った後ろ姿を見送って、大切な槍を託されたことにくすぐったくなりながら。
「な、なあ......
話、聞いてくれるの?」
「えぇ、勿論。
さ、まずは立ち上がってください。あちらのベンチへ行きましょう?」
近づいて、立ち上がるのに手を貸し、ハンカチを差し出してベンチへ誘う。
へこんでいる人間に威圧感を与えない自分の容姿が、こういう時には役に立った。
アイリと言う少女のこと。
彼女の飼っている小鳥を事故で逃がしてしまったこと。
「おれさ、アイリに見つけるから許してって言ったんだ。
でも見つかるはずないよな。
だって鳥なんて空を飛べちゃうんだから。
......おれ、もうアイリに許してもらえないのかな」
泣き出しそうなその声に、ぽんぽんと背中を叩きながら、私は口を開く。
「そうですねぇ。このままこうしているだけでは、許して貰えないでしょうね」
俯いたその顔を覗き込んで、私はひどいことを言った。けれどおそらく真実である。
「ねぇ、アポロ君。君はアイリ嬢に言ったんでしょう?
『見つけるから許してほしい』と。それなのに何故諦めているんです?
鳥が空を飛ぶから?だから見つけられるはずがないと努力すらせずに?
やる前から諦めている人を、どうして許せると言うのですか?」
ぽんぽん、と一定のリズムで背中を叩きながら、私は続けた。
「その小鳥、どんな種類の小鳥でしたか。
鳥は種族によって生態が違いますから、それが分かれば行先もある程度絞れます。
もしかしたら、その小鳥を見かけた人がいるかもしれません。
特徴を書いた紙を用意して、人通りの多いお店に配って歩けば、誰かが見つけて連絡してくれるかもしれません。
木々の多い公園の管理人に、こんな小鳥が来たら教えてください、と頼みに行くのも良いでしょう。
門番さんにもお願いしたら、この街から出て行ったかどうかが分かるかもしれません。
小鳥が家の場所を覚えていて、戻ってくるかもしれませんから、ご近所の方が保護してくれているかもしれません」
観賞用の鳥は遠くへ飛んで逃げられないように風切り羽根を切られていることもあると聞く。ならば、見つけられる可能性は0ではない。
ぽん、ぽん、と柔らかく。
「ここでうなだれて泣いているより、やるべきことがあると思いませんか?」
ね、今なら暇人のタビットがお手伝いしますよ、と。
「アポロ君。君はどうしたいですか?」
そう、私は彼の背中に手を置いて、尋ねたのだった。
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ミスティックの-4素で忘れてましたΣ(U*´ω`)
ではお爺ちゃんの今日のスカーフ留めはムーンストーン(白)ですね!
と言うわけで今後の行動としては
・アポロ君がどうしたいか聞く
で、小鳥を探すことになったら
・アポロ君に鳥の特徴を聞く。知らなかったらアンリちゃんちに行って特徴聞いてくる。
・↑を白紙の本に書く(ビラ作り)
・ご近所、商店街、公園、門番さんなどにお願いしに行く
な、感じで!でも主体はあくまでアポロ君で!