やさしさ

 ティキ(キャスパー) [2016/05/12 20:46:37] 
 

「......いた」

五番街を抜けた先、アイリは四番街で見つかった。

彼女は何か探しているかのように視線を動かすが、その目線はほとんどが何もない空。うなだれてはまた空を見上げ、ついにベンチに腰掛けた。

「まあ、見つかるわけないよね。
 かわいかったのになあ......わたしのシュガー」

その後も彼女はアポロへの恨み言を口にし、後悔したりまた怒ったり、どうにも気分のいい様子には見えない。

シュガー......というのはペットか何か、だろうか。そうと考えれば、なんとなく事の顛末が見えた気がする。

ふうっと息をついて、歩いてアイリに近寄った。

「何か探し物?」

声をかけるのと一緒に、アイリの正面にすとんと腰を落とす。

「ごめんね、今の独り言が聞こえちゃったから。それにあんな顔で走って行くもんだから、どうしてもほっとけなくて」

落ち着いて話せるよう、努めて優しい声でゆっくり話す。

「私、ティキ。ちょっと観光みたいなもので、この街に来てるんだ。本職は冒険者だから、何か力になれるかもしれないよ。―名前、なんていうの?」

そう言って、にっこり笑う。

こういうのはあんまり似合わないかもしれないが。

この子は優しく、強い子だ。自分の怒っている相手でも気遣ってあげられる。

そして、強い子には力になってあげたいのだ、私は。


PL

まずはお互いまだ何にもわかってないので、まず自己紹介から。名前は

いきなり隣に座って話しかけたら怖いよねってんで下からの目線。事情を話してもらって、何をするかはそれからですね。まず仲良くなんないと。