【B-1-2】風に歌う者
キルヒアの神殿のそばでネージャの探している相手らしき人物を見つけたが......。
彼は急に鼻歌を歌い始めてしまう。
シィノヴィアはそうした彼が歌い終えるのを待ってから。
>「いい歌です。なんという曲ですか」
彼女はフードの男性に話しかけた。
「......君は?」
ゆっくりとした速度で男性の方はシィノヴィアの目を見つめるために顔の向きを変える。
その瞳は空のように青い色だった。
>「失礼しました。シィノはシィノヴィア。
> 人を探しています。あなたはヴォイス殿ですか」
シィノヴィアが自らの素性を明かし、目的を語り、男性について尋ねれば。
彼は得心したかのようにこれまたゆっくりと頷いた。
「俺を探しているっていうことは......ネージャに頼まれたのか?
そうか、ネージャはもう着いたんだな。
他のメンバーは見つけたのか?」
彼がヴォイスで間違いないらしい。
確かにネージャの言葉にあったらしく白い髪だ。
見たところ黒い色のメッシュが入っているようだが。
「......おそらくまだだろうな。
あいつらは想像以上に自由な奴ばかりだから。
残念ながら、俺も人のことは言えないがな」
シィノヴィアがどんな返答をしようと彼はその結論に辿り着く。
「せっかく来てくれたのに申し訳ないが......俺はまだ宿に向かう気はないんだ。
もう少しこの街の息吹を感じてから今日のステージに立ちたい。
ただ君がわざわざ来てくれたことを無駄にはしない。
そうだな......君にこれを渡しておこう。
他のメンバーを全員見つけたらこれを吹いてくれ。
君の音が聞こえたら俺は宿の方まで飛んでいこう。
――誇り高い翼は残念ながら持ってはいないが」
ヴォイスが言うには、彼はまだ宿まで向かうつもりではないらしい。
だが帰らないというわけでもない。
彼がシィノヴィアに渡したのは小さな銀製の笛である。
それは恋人の呼び笛と呼ばれる代物であり、ある特定の相手にだけ聞こえる音を鳴らすというものだ。
この音を合図として使うつもりらしい。
「それじゃあ俺は行こう。
ああ......そういえばリズムが南に行ったのが見えた。
行ってみればもしかしたら会えるかもしれないな」
ヴォイスは楽器のケースを背負って街の奥へと歩き出していった。
ちょうどコンチェルティアの西側へと向かっているところのようだ。
「あ、もうひとつ忘れてた」
だが数歩行ったところで立ち止まり、彼は振り返った。
「君は......さっきの歌の名前を聞いただろ?
名前なんて全く考えてなかったが、今さっき急に思いついた」
どうやら一番最初にしたシィノヴィアの質問にいまさら返してれるようだ。
そして――その名前とは。
「――シィノヴィア。
いい名前だと思わないか?」
彼は恥ずかしげもなくそう言ってから再びその場を去っていく。
シィノヴィアはこの後どうしようか。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
シィノヴィアのルート進行です。
【NPC:男性】に【ヴォイス・ハイロック】を足しておきます。
というわけで一人目を見つけましたが、素直に向かってはくれないようです。
シィノヴィアは【恋人の呼び笛】を受け取ります。
知名度8の宝物鑑定判定に成功すれば価値が、セージなら効果までわかります。
次回の進行でシィノヴィアが行く場所を【分類:コンチェルティア】から選択してください。
向かうエリアは隣接しているところでなくとも構いません。