【B-1-8】月神のお膝元
シィノヴィアは4番街から北上して5番街へと向かっていく。
聞いたところによると、シーンの神殿はここにあるという。
ここの雰囲気は4番街とは打って変わって庶民的な雰囲気だ。
3番街などに比べて静かではあるが、1番街とも2番街とも違う静けさ。
朝起きて、お昼に働いて、夜に眠る。
そんな普遍的なサイクルがこの場所では繰り返されているのだ。
――少なくとも探している残りのふたりはここにはいないようだ。
探したり人に聞けばシィノヴィアは神殿をすぐに見つけられる。
雰囲気を壊さないようコンパクトに建造され、1番街の神殿に比べると質素である。
ただその分、住民たちに愛され......彼らが足繁く通う場所となっているようだ。
近づいていけば、子供たちの声がする。
隣に建てられている孤児院からだろうか。
どうやら朗読の時間らしい。
「むかしむかし......みっつのつるぎがありました。
ひとつめはさわやかなかぜをはこぶつるぎ。
ふたつめはきよらかなみずをはこぶつるぎ。
みっつめはあたたかなひかりをはこぶつるぎ。
みっつのつるぎをあつめれば、どんなけがれでもはらうことができるのです。
いまではそれぞればらばらになってしまったみっつのつるぎですが。
ばらばらのばしょでこのまちをまもっているのです」
コンチェルティアに伝わる昔話だろうか。
子供たちに読み聞かせているのはエルフの女性のようだ。
* * *
「お祈りですか?」
神殿の方からシィノヴィアに声がかけられる。
シィノヴィアと同じくシャドウの女性だ。
だが、彼女はゆったりとした衣を身に纏っている。
ここの神官の一人なのだろう。
「でしたら、歓迎させていただきます。
どうぞ中へお入りになってください。
......それとも他のご用事でしょうか?」
お祈りに来た旨を告げれば、中へ案内してくれる。
中に入れば飾りこそ少ないものの、綺麗に整えられた聖堂の奥に。
――月神シーンの像を見ることができるだろう。
何か聞きたいことがあるならついでに彼女に聞いてみてもいいかもしれない。
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あんみつ@GMより
シィノヴィアルート進行です。
5番街には探している相手はいませんが、
シーンの神殿は見つかります。
お祈りなりご質問なりあればご自由にどうぞ!