専門外です

 シィノヴィア(紫乃) [2016/05/24 22:20:24] 
 

>「お、ノリいいじゃん!
> あんたもこの街の冒険者?
> ってか結構身軽そうではあるけど、力の方は大丈夫なの?
> 言っておくけど、女に二言はないよ」

「無論」

さきほどしていたように、テーブルに肘をついて手を組む。
開始の合図に耳を澄ませる。
腕の筋肉は、少しの刺激で跳ねるほどに緊張させて。

>「さ、勝負だ......!」

シィノにとっては最初が最も肝心。
できるだけ早く反応して、押せるところまで押す。
出だしは悪くなかった。出だしは。

けっきょく、リズム嬢の純粋な筋力に圧され、最後はぱたりと負けた。

>「おっしゃ、またあたしの勝ちだ!
> あんたもテクニックはなかなかだけど。
> やっぱりもうちょっと筋肉つけなきゃダメダメ」

「はい。さすがに勝てませんでした」

今度は握手のために出された手に、力の入らない手で触れ返した。

>「さっきも聞いてたかもしんないけど、あたしはリズム。
> あんたの名前も教えてよ」

「シィノはシィノヴィア。
 リズム嬢は音楽家とのことですが、どのような楽器を?」

「ネージャ嬢に頼まれて、メンバーを探していました。
 伝えたいことがあるので、艶花亭へ来てほしいそうです」

「ここへ来るまでに会えたのはヴォイス殿だけなのですが、
 ほかの方の行き先を知りませんか」