【B-3-3】お昼前の広場で
ヴェンデルベルトは5番街で小鳥を見た人がいないか尋ねながら歩いていく。
だが、残念ながらその手応えは芳しくない。
大体の者は家から出てきたばかりで、外の鳥の姿など見てはいないのだ。
――とりあえずヴェンデルベルトとアポロはそのまま奏での広場に向かうことにした。
お昼前の広場にはベンチに腰掛けて他愛ない会話を交わしている人たちの姿が見える。
噴水際に腰掛けて涼んでいる人の姿も見えることだろう。
「今日、あそこの劇団を見に行くのよ。
なかなかチケットが取れないからラッキーだったわ」
「最近流行りの可愛い踊り子いるじゃん?」
「蕾の美術館の今のテーマって鳥だっけ?
まだ、見に行ってないんだよなー」
「さっき、4番街でさ。
銀髪の男の人に声をかけられちゃったんだ!」
「エリックさんって言うルキスラの作家さんが着てるそうよ」
ちなみに聞こえてくる会話はこんな感じだ。
>「さて、どこへ行きましょうか。気になるところはありますか?」
今いる場所はこの街の中央。
ここからならどこへでも行けるだろう。
アポロはヴェンデルベルトに習って周囲の様子をキョロキョロと見回していく。
「んー、本当なら......6番街に行きたかったんだけどな。
あそこ、おれのひみつき......。
ううん、なんでもないぜ、ひみつきちなんかどこにもない!」
アポロあ北西の方角を見ながらつぶやいたかと思うと、急に焦りだした。
子供らしい短絡的な態度とも言えるが、それが可愛らしさとも言えなくもない。
>「その前に私達も腹ごしらえをしますか?」
ついでにお昼前ということもあり、アポロに声をかけると。
「お、おれはアイリの小鳥を見つけるまで我慢するぞ!」
そう口では言いながら、お腹の虫をグーと鳴らす。
体は正直というやつだ。
広場から少し出た大通りには、歩きながら食べやすいものも売られている。
広場自体にもここからが稼ぎ時だからか......。
サンドイッチやクレープをを売る移動式の屋台が準備を始めている。
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あんみつ@GMより
ヴェンデルベルトルート進行です。
5番街ではこれといった情報が手に入りませんでした。
現在は6番街に移動しております。
お次の行動をどうぞ。
軽い食事でしたらご飯を食べてから移動しても構いません。