【B-3-4】6という数字
ちょっと我慢している様子のアポロを見て。
>「アポロ君、そこのベンチでちょっと待っていていただけますか?」
ヴェンデルベルトはアポロを待たせている間に自分の分の昼食を買いに行ったようだ。
勿論紳士的に一人分にしては少し多い感じに買い込んで。
>「アポロ君、実は私、小食でして。半分食べていただけませんか?」
そしてさりげなくアポロに彼の分を手渡す。
アポロは自分と同じように小さなヴェンデルベルトの体を眺めて。
「あんまり食べられないのにいっぱい買うなんてバカだなー。
しょうがないから、おれがちょっと食べてやるよ!」
口では仕方なさそうに言いながらも、一度口をつけるとガツガツと食べていく。
食べたい盛りの男の子なのだから当然か。
彼の分はあっという間に平らげてしまっていた。
「はー、うまかった。
ヴェンがドジったおかげでいいもの食えたぜ」
満足そうな彼の様子を見る限り。
ヴェンデルベルトのささやかな気遣いには気づいてないようだ。
* * *
サンドイッチをもぐもぐと食べながら。
ヴェンデルベルトはあることを思いついた。
>「アポロ君アポロ君。ちょっとこのカード、1枚引いてみてくれませんか?」
それは......占いである。
「え、何?
てきとーに引けばいいの?
――じゃあ、これ!」
お先に食べ終わって少し眠たそうにしていたアポロは。
ヴェンデルベルトの広げたカードの中から一枚を引き抜いた。
そのカードを見てヴェンデルベルトが読み解くことができたのは、6という数字。
コンチェルティアにおいて6と聞いて思いつくのは一つしかないだろう。
* * *
「こっちの方がいい感じなんだっけ?」
ヴェンデルベルトがアポロを連れてやってきたのは6番街である。
この街で最も彩りが鮮やかな場所である。
今も鳥をテーマにした作品群が美術館に飾られているようだ。
一際目立つのは大きな白い鳥の像だろうか。
像の前には二つの人影がある。
一つはやや身長が低めの青髪の青年。
もう一つは青年より頭一つ分背が高い赤髪の女性だ。
「......鳥っていいわよね。
空が飛べて、そして自由で」
女性が白い鳥の像を見ながら呟く。
「ヴォイスさんみたいなこと言ってどうしたんですか?」
「ううん、なんとなく言ってみただけ」
二人は他愛ない会話をしているようだ。
「まあ、自由がいいものだっていうのは同意しますよ。
僕らがそういうものを手に入れるには根性が必要ですから」
「ただ、さっきの鳥には驚いたわ。
あれは展示品じゃなくて本物だったのね」
「ああ、さっきの白い鳥。
ヴォイスさんについて行っちゃいましたけど」
二人はどうやらここでさっき鳥を見たらしい。
それも白い色をした鳥を。
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あんみつ@GMより
ヴェンデルベルトルート進行です。
ご飯代で合わせて15ガメル程減らしておいてください。
占瞳の結果は「6」という番号がわかりました。
なので6番街に来ております。
他の部分はお好きにどうぞ。