【B-3-8】白フードと白い鳥
>「ちょっとお待ちくださいね」
ヴェンデルベルトは5番街で見つけた服屋に寄ることにしてみた。
どうやらお目当ては白い服のようだ。
白いものに惹かれる癖があるらしいため。
もしかしたら効果があるかもしれない。
>「はい、アポロ君。私達も白い恰好をしてみましょうね」
ヴェンデルベルトとは自分の分だけでなく、アポロの分も買ってきた。
「おれも、これ着るのか?
なんかおそろいみたいで恥ずかしいや」
そう言いながらもちゃんと白い格好をしてくれる。
それに口ではああ言うが意外と笑顔だ。
友達と似たような格好をするのは照れくさいかもしれないけど、嬉しいんだろう。
* * *
5番街には残念ながらヴォイスとシュガーの姿はなかった。
次にどこをどう目指すか。
ヴェンデルベルトが手がかりにしようとしたのは、人からの情報だ。
>「すみません、この辺りで白いローブを着て弦楽器のケースのようなものを持った人を見ませんでしたか?」
近くを歩いていた壮年の男性に声をかけてみれば......。
「ああ、それなら私も見たよ。
確か南の方、4番街に向かっていったなあ」
というような情報を入手することができる。
「4番街の方に行ったんだな!
じゃあ、行くぜヴェン!
ダッシュ、ダッシュ、ダーッシュ!」
情報を聞けばすぐにアポロは走り出す。
子供の足だからそれなりに追いつけるだろう、頑張れば。
* * *
二人は4番街までそのまま駆け込んでくる。
アポロは全力を出しすぎて行きも絶え絶え、ヘロヘロだ。
「は、はぁ......シュガ......いるか、な......はぁ」
ひとまず息を落ち着かせ。
4番街を適当に探してみると。
うっかり劇場街のメインロードからは外れてしまう。
だが、そんな4番街の裏道で。
二人は白い色のシルエットを見つけた。
背中には弦楽器のケースがある。
「あ、もしかしてあれじゃないか!
おれ、声かけてくるぜ!」
アポロは一直線に走り出した。
きっとその動きはヴェンデルベルトより早いだろう。
「あのさ......って、あああ!」
彼に話しかけようとしたアポロであるが。
突然おっきな声を出す。
近づいてみればすぐにわかるはずだ。
彼のそばに白い色の鳥が隠れていたのだ。
見た目からしてスノウホワイトらしい。
そして近づいてみればもう一つ気がつくかもしれない。
彼は人ではない、ナイトメアでもない、人に紛れる姿をしたものだと。
「俺に......何か用があるのか......?
それとも用があるのはこいつか?
少しだけ困ってたんだ、なぜか知らないけどついてくるから。
白い格好で......俺にも翼があるからかもしれない」
白いフードをかぶった青年はアポロに語りかける。
勿論ヴェンデルベルトが傍にいれば彼にだって。
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あんみつ@GMより
ヴェンデルベルトルート進行です。
ダイスや行動の結果。
白いフードの青年と白い鳥が一緒にいるのを見つけます。
真偽判定に14以上を出せば、彼がただの人族ではなさそうな予感がします。
他の部分についてはご自由にどうぞ!