【B-3-9】ついに鳥籠の中へ
>「翼を、お持ちなのですか。良いですね」
白いフードをかぶった彼。
その彼から人ならざる空気感を憶えながらも。
ヴェンデルベルトはとりわけ警戒した様子を見せなかった。
本能的な危険を感じなかったからであろうか。
「翼と言ってもこの鳥のように自由に羽ばたけたりはしない。
むしろ俺を縛りつける呪いのようなものさ。
普通に考えたらいいものではないだろう。
――だが、この翼のお陰で俺は戦い抗うことも覚えた。
そう考えれば、悪いことばかりでもないか」
最初の方はヴェンデルベルトに答えているような体であったが。
途中からはむしろ考えていることを口に出しているだけのようだった。
あまり人付き合いが得意なタイプではないのだろう。
そんな彼がもしかしてこの鳥に用があるのかと聞いたから。
>「はい、私達はその小鳥を探していたんです。有難うございます。
> アポロ君アポロ君。見つかりましたよ、良かったですね。
> とりあえず迷子のシュガーには鳥かごに入って貰いましょう?」
ヴェンデルベルトは素直に応じ。
アポロにシュガーを鳥かごに入れてはどうかと勧める。
「そ、そうだな!
また逃げられたら困るし、さっさと入れちゃおうか。
行くぞー、それ!」
ヴェンデルベルトの言葉を聞いて気がついたアポロは鳥かごになんとか入れようとする。
アポロにヴェンデルベルトが手を貸せば、ずっと早く中に入れることに成功するだろう。
* * *
何度目かの挑戦の果てに。
シュガーは鳥かごの中に無事入る。
「よっしゃー、やった、やったぜ!
行くぜ、ヴェン、ハイタッチだ!」
アポロは全身で喜びを表現している。
ヴェンデルベルトが気持ちに応えて手を挙げれば。
ビシッとハイタッチを痛いくらいに決めてくれるだろう。
「――そうか、本当にその鳥を探してたんだな。
だったら悪気はなかったといえ、そいつを連れて歩き回るのは良くなかったな。
お詫びの品にこいつを......いやお詫びにはならないか。
俺たちとあまり関わらないほうがいいかもしれない。
まあいいか......とりあえず渡しておく」
白いフードで白髪の青年が出してきたのは二枚の紙。
よくよく見れば、どこかの楽団のチケットだ。
楽団名はトゥルー・ソウルズというらしい。
「要らないなら捨てるなりしてくれて構わない。
どうせ余ることになるだろうしな。
じゃあ、俺は行くよ。
音が......呼んでる気がする」
そうとだけ言うと、彼は振り返ることなく道の向こう側へと歩いて行った。
「じゃあ、あとはシュガーをアイリの家に返すだけだな!
ほらほら、早く行こうぜ!」
姿が見えなくなったころ。
アポロはヴェンの裾を引っ張って急かす。
早くアイリの家まで返しに行きたいようだ。
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あんみつ@GMより
ヴェンデルベルトルート進行です。
シュガーは無事に鳥かごに入ります。
アポロを手伝っても手伝わなくても構いません。
ヴェンデルベルトとアポロ二枚分のチケットを受け取れます。
【トゥルー・ソウルズ】について見識判定が可能です。目標値は17。
成功すれば【分類:組織】に書かれている情報がわかります。
白フードが去ったあと、アポロがヴェンを急かします。
特に何事もなければ次カテゴリに移動し、アイリの家に向かうことになるかと思います。
他の部分についてはご自由にどうぞ!