幸運の『6』
「こっちの方がいい感じなんだっけ?」
「はい、そうですね。おそらくは」
占いの結果は『6』であった。ちょうどアポロ君の秘密基地があったりなかったりする方向で、進んでいた方向でもあった。
この街の6番街は、どうやら一番華やかな場所のようだ。今は『鳥』をモチーフにした美術品が多く展示されているらしい。
もっとも、私達が探しているのは彫像や絵画ではなく、生きている小鳥なのだけれど。
展示品に視線を奪われながらも、道を進んでどのくらい来ただろうか。腹ごしらえをした結果、その歩みはスムーズである。
「......鳥っていいわよね。
空が飛べて、そして自由で」
鳥が空を飛べるのはその通りだが、彼らは彼らで大変なのである。体を軽くするための進化の過程などは、涙なしでは語れないのだ。
その二人が気になったのは、それがきっかけである。
「まあ、自由がいいものだっていうのは同意しますよ。
僕らがそういうものを手に入れるには根性が必要ですから」
「ただ、さっきの鳥には驚いたわ。
あれは展示品じゃなくて本物だったのね」
「ああ、さっきの白い鳥。
ヴォイスさんについて行っちゃいましたけど」
おや?この二人はもしかして。アポロ君の肩を叩き、二人の方へ歩み寄って話しかけた。
「申し訳ありません、会話が聞こえてしまったのですが、お二人は白い小鳥を見たのでしょうか?
このアポロ君が実はスノーホワイトと言う真っ白な小鳥を探していまして。
良ければお話しを聞かせていただけませんか?」
ヴェイスさん、と言う人がどんな人かも分からないし、この二人が見たのが探している小鳥かは分からないが。
やっと手がかりを得られる期待に胸が膨らむのも仕方のないことであろう。
アポロ君を前面に押し出して。話を聞きましょう!
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