【B-4-3】美術館来訪

 GM(あんみつ) [2016/05/22 22:50:33] 
 

ティキたちに二枚のチケットを渡していった銀髪の軽い調子の男。
ティキは彼が人に紛れている蛮族であることを察した。

何かを企んでいるのか。
それともただ人と同じように暮らしたいのかはわからない。
それでもさっきのあの男の魂が穢れているのは事実だ。

時間を見れば、彼らのステージは日が沈む頃から始まるものであるようだ。

男の去っていく後ろ姿をちょっとうっとり見つめているアイリ。

>「ええ......アイリはあんなのがいいの?私は正直一番嫌いなタイプの男なんだけど」

そんな様子に苦笑いしながら、ティキはチケットを袋にしまい込んだ。

「だってアポロなんかバカみたいに子供ですからね。
 やっぱりわたしはもっと危ない感じの大人の人が好きです。
 ......あ、そもそもアポロなんて関係ないですからね!
 あんなのただの手のかかる弟ですよ」

まあ彼女の気持ちがどうであれ。
一番身近な異性とつい比べてしまうのは仕方ないことであろうか。
ただやっぱりアポロに対して親しみを感じているのは事実だろう。

>「うん、行こう」

ティキはアイリの手をとって、再び美術館を目指すこととした。
勿論アイリは大人しく繋がれてくれる。

「はい、行きましょう。
 あ、そこの角を左です」

アイリの道案内を受けながら少しずつ美術館へ向かっていく。

>「......美術館へ行った後は、一緒にお昼をとろうか。ね、アイリ」

ティキは美術館に行った後のことについて、アイリに尋ねてみる。
例のトゥルー・ソウルズについては一旦考えるのは後回しにしたようだ。

「お昼ですか、いいですね!
 あ、でもお母さんにもなんにも言ってないや。
 ......まあ、たまには少しくらい悪い子になってもいいですよね?」

ちょっと悪戯な表情でアイリが笑う。
近頃のコンチェルティアは極めて平穏である。
先ほどのアポロの件もあるだろうし、親は仕方ないと思うだろうか。

ちなみにアイリのおすすめは3番街か大通りらしい。
どちらも観光客向けの店が並ぶところだ。
大通りはどっちかというと食べ歩きに近くなるだろうか。
一応2番街や4番街などにもあるはあるが値段が高めらしい。
5番街には老舗だったり、住民の憩いの場のような飯屋や酒場があるそうだ。

   *   *   *

「つきましたよ、ティキさん。
 ここが4番街の美術館です」

アイリがそう言って立ち止まったのは一つの建物前である。
そこそこ大きめの敷地があり、庭には彫刻の類が飾られている。
庭の奥に立っているのはシンプルな構造の建物である。
見たところ三階建てになっているようだ。

「入口はあちらですよ。
 大人の方は入館料が必要になります。
 ふふ、わたしはティキさんと一緒ならタダなんです」

敷地へと至る入口のところに簡易なゲートが有り。
受付らしき人の姿も見える。
成人の入館料は40ガメルほどらしい。
子供は保護者付きであれば、無料で入館できるとのことだ。

――受付を済ませてティキとアイリは中に入る。
幾つか著名な作品も展示されてはいるが、ティキはどれだけ知っていただろうか。
もし製作者や作品の情報がわからずとも、見て感じられる素晴らしさは味わえるはずだ。

「一階は彫刻が中心で、二階は絵画が中心なんです。
 三階は少し趣向が違っていて、楽器であったり舞台衣装や物語の原本なんかが飾られています」

アイリが建物の内部の説明をしてくれる。
そして、美術館の様相はほぼアイリの説明の通りだ。
だからもしトゥルー・ソウルズの情報を求めるならば楽器等の展示もある三階がいいかもしれない。

「ティキさんは彫刻がお好きなんですよね?
 それなら一階を中心に回っていきましょうか」

一回に飾られているのは木像や石像、銅像とその種類は様々だ。
モデルも老若男女揃っているのは勿論のこと動物や、妖精などをモチーフにしたものもある。
神様の像だけは飾られていないようだが、竜をモチーフにしたものを見つけることはできた。
アイリに聞けばそういう像は1番街で収蔵されているとのことらしい。

「そういえば、コンチェルティアでは年に四回テーマを決めてその年の最優秀作品を競うお祭りがあるんです。
 夏の時期に開かれる青花祭りでは、絵画や彫刻の作品が取り上げられるんですよ。
 わたしも一回ちゃんと見に行ったことがあるんですけど、いろんなものがあって楽しかったですよ。
 よかったらそのときもいらしてみたらどうですか?
 ――その時は、わたしもまた一緒にお付き合いさせてもらいます......えへ」

そんな話もしながら美術館での時間は過ぎていく。
もうそろそろお昼の時間になるだろうか。


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あんみつ@GMより

ティキルート進行です。

【分類:地名】【コンチェルティア美術館】を登録しておきます。
入館する際は40ガメルほど支払っておいてください。

中に入ったらお好きなように動いていただいて構いません。
尋ねたいことがあれば客でも係員でも構わないのでお好きにどうぞ。

また【分類:その他】【青花祭り】を登録しておきます。

次に食事をしに移動する場所を【分類:コンチェルティア】からご選択下さい。
一応1番街と6番街はおすすめしませんが、他ならばどこでもどうぞ。