郷に入っては
私の私服は、アイリに好評のようだった。お礼を言ってから説明を聞き、お勧めだという4番街の美術館を目指すことにした。
そして妖精についてはー
>「もしかして、妖精さんですか?
わたし、初めて見ました。
ティキさんって妖精と仲がいいんですね、羨ましいな」>「でも、急に襲い掛かったりはしませんよね?
おとなしくて可愛らしいとは思うんですけど」
おおむね好意的。が、やはり不安もあるようだった。
「妖精はね、基本的に自分から人を襲ったりしないよ。......いたずらはするけど。それにこのエコーは、とても恥ずかしがりで大人しいから大丈夫」
「だいじょうぶー」
「だって。ね?」
「ねー」
と言ってみたたし、言っているが、安心してくれるだろうか。
***
通りを歩いていると、エルフと思しき男性が踊りながらこちらへ手を差し出してきた。
>「ティキさん、ダンスのお誘いを受けてるみたいですよ。
今のティキさん綺麗ですからね、仕方ないです」
「私?......仕方ないな。エコー、ちょっと出ていて」
ルキスラだったら絶対に断っているだろうが、ここはコンチェルティア。観光中ということもあって、まあ受けてもいいかという気になっていた。
ダンスは......昔母さんに、戯れに教わったっけ。あまりまじめにやった記憶は無いけど。
私の髪にもぐっていたエコーはすっと出てきて、代わりにアイリの顔の横へ移動した。やはり落ち着かないようで、ちらちらとアイリの髪を見ている。
「あなたのかみは茶色なのね」
と、自分の意思とは全く関係ないことを恥ずかし気につぶやいていた。
私のほうは差し出された手を取った。なまっ白くて細い手だ。
「む......」
音楽と男に合わせて、前後左右に足を出す。見てから何とか合わせているのでずれきってはいない、かろうじて形になっているくらいだろう。
足元から視線を離せないせいで、相手の顔もろくに見れない。......手汗とか滲んでないかな。大丈夫か。
元から自信があったわけではないがやらなきゃ良かった。
見ないでアイリ。助けて姉さん。
PL
4番街の美術館を目指すことにして、ダンスのお誘いは受けます。
ダンスはかろうじて普通にみてもらえる程度のものでした。
00:07:42 キャスパー@ティキ ダンス 2d Dice:2D6[4,2]=6