信ずるか否か
「わかった、美術館に入るころには帰ってもらおう。エコーに街を見せてもやりたかったんだけど、仕方ないね......ありがとう、アイリ」
アイリのアドバイスを受けて、妖精は後で引っ込めておくことにした。
***
私もできる限り丁寧にお辞儀をして、それから観客に向き直ってもう一礼した。うまくリードしてもらって、結構あの人に助けてもらった感がある。
ふううううと深いため息が出た。
>「素敵でしたよ、ティキさん。
冒険者なので踊りは本業じゃないとは思いますが。
つい見とれちゃいました、ティキさん綺麗ですからね」
「......ありがとう、そうまっすぐ褒めてもらえるとちょっと照れるね。アイリも誰かと踊ってみればよかったのに」
心の中でみっともない姿を晒していたいたのを感づかれなくて本当に良かった。アイリのほうに戻ると、すぐさまエコーが髪に飛び込んできた。どうしたのか聞く前に、さっきのダンス相手とは違う男の声が聞こえてきた。
>「ああ、本当に良かった。
オレも一目で君に夢中になってしまうくらいにね」
そちらを見ると、細く青白い青年がいた。
>「あのさ、ちょっとオレと遊ばない?
天国......見せてあげるからさ」
「おことわ......」
>「あ、え、そ、その......ティキさんはわたしとデート中なんです......!」
りします、という前にアイリが割り込んできた。かわいい。
>「ひゅう、君もなかなか可愛いじゃん。
あと五年後に期待しちゃうぜ。
そうしたらまたオレと会って遊ぼうか。
――勿論大人の遊び方でな?」
「やめろ」
少し語気を強くする。アイリの手を少し引いて、その横に立った。こういう男は嫌いだし教育に良くない。
だがそれとは別に、何か別の......嫌な感じがある。
男は私に髪を二枚渡した。見るに、"トゥルー・ソウルズ"なる演者による公演のチケットらしい。
>「――真の魂たち。
穢れだとか敵対なんて関係ない。
ただ音楽を奏でたい奴らの集まりさ」
その言葉で、ぴくりと体が反応した。その勘と、髪の中で怯えるエコーが教えてくれた。こいつ、穢れを持っている―どころか、人族ではない。
その後男が去っていくのを見送って初めて私は警戒を解く。
「どうしたものかな......」
>「かっこいい......」
「ええ......アイリはあんなのがいいの?私は正直一番嫌いなタイプの男なんだけど」
私は苦笑して、チケットを袋にしまった。ませてるなあ、ほんとに。
>「な、なんでもないです!
美術館はもうすぐですよ。
さ、さあいきましょう!」
「うん、行こう」
アイリの手を握って、再び美術館へ歩き出す。
男のあの顔―音楽について語った時のあの表情からは少なくとも邪な心は感じられなかったが、それ以外の言動。
それからこの公演に行くという事は、最低でも人に化けられるような蛮族か、何らかのウイークリング種が集団で居るところに行くという事。街のものに受け入れられているならいいが、アイリはそれを知らなかった。私一人ならいいが、もし危険があった場合にアイリを連れて逃げられるか......
まあ......後で考えてみようか。
今は美術館だ。トゥルー・ソウルズについても、美術館にいる人を何人か捕まえて尋ねてみよう。判断するのはそれからでも遅くない。
「......美術館へ行った後は、一緒にお昼をとろうか。ね、アイリ」
PL
でしたね、思えば町中で魔法はあんま良くないものですね。美術館に入る前には魔法は解除します。
とりあえず男が蛮族であることは見抜きました。なのでティキの不信感は大きなものです。チケットには日時なんかも書いてあるのでしょうか
美術館で情報集めをします。もちろん美術品の鑑賞も。
00:07:02 キャスパー@ティキ 真偽判定 2d+7 Dice:2D6[5,3]+7=15
00:06:33 キャスパー@ティキ 見識判定 2d Dice:2D6[5,1]=6