【C-1-2】全員集合
>「差しつかえなけでば、中で」
シィノヴィアは艷花亭の中で待つことにしたようだ。
ソリッドらに続いて、シィノヴィアは宿の入口から通っていく。
* * *
室内も外観に劣らず豪奢であった。
宿屋というよりはまるで劇場の中のよう。
赤い絨毯が敷かれており、エントランスには綺麗なシャンデリアが吊られている。
「待ってたぜ、シィノヴィア!」
向こう側から声がかかる。
長い銀色のシルエット。
4番街で出会ったメンバーの一人、スラップである。
「もういつ会えるかここでずっと待ってたんだ。
うるさい奴しかいねーしさ。
こんなとこ面白くもなんともないから......二人でショッピングでもどうだ?」
スラップは遠慮なくシィノヴィアに近づいていき。
回り込んでそ彼女の肩に手をやろうとしたところを......。
逆にスラップの肩が誰かに掴まれる。
「うるさい奴って誰のことかな?
あたし言ったよね、シィノに迷惑かけたらぶん殴るって。
......マジで行くよ?」
スラップを睨むリズムの顔は間違いなく本気だ。
「わ、わかってるっての。
でも正直暴力ばっかじゃ女の子として扱ってもらえないぜ?
オレもお前だけは冗談抜きでパスだから」
減らず口を叩きながらもスラップはそろりそろりと後ずさり。
代わりに前に歩みだしてくるのはリズムである。
「ごめんね、シィノ。
あんたも強いんだからウザかったらぶっ飛ばしていいんだからね。
ヴォイスたちもおかえり。
あまりフラフラしてないでね、特にヴォイスは」
「俺は行きたい時に行きたい場所へ行っているだけだ。
別に......フラフラしてるつもりはないな」
そんな感じで話していると。
宿屋の向こう側からピンと立った耳が見える。
どうやらネージャがこちらに向かってきているのだ。
「シィノヴィアさん。
無事全員見つけてきていただき、ありがとうございました。
向こう側に私たちが借りている部屋があります。
そちらまでご案内させていただきますね」
ぺこりとシィノヴィアの前でお辞儀をしたネージャ。
彼女は部屋まで案内してくれるという。
まあ、フロア自体は広々としているとはいえど。
入口に集団で溜まるのはよくないだろうか。
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あんみつ@GMより
シィノヴィアルート進行です。
ぞろぞろと全員出てきます。
とりあえず次の進行で部屋の方まで通されます。
ネージャの依頼についてのまとめはそこで。