忘れられない夜に

 カプリ(一葉_3) [2016/06/21 00:08:48] 
 

 よんばんがいへと進むみちのりで、耳にはいってきた会話があった。

> 「......今回の作戦は中止だそうだ。 
>  どうやら思ったより一般人の数が多くなりすぎたらしい」
>  ......
> 「わ、悪かったって......ただの冗談だから」

 しかいがうすくぼやけ、すぐにクリアになる。
 水面がひっくり返るように、移した景色がそのまま反転する。

 こちらには気付いていないようだったので、マフラーをくいと上げて目を細めた。
 そのキナ臭さが私の琴線に、少しだけだけれど触れる。

 とはいえ、私自身がトゥルー・ソウルズと関わりがある訳じゃない。
 良い香りがしたからと見境なく食器を手に取るのは、些か品に欠ける。

 彼らの事はひとまず追求せず、マフラーで口元を隠したまま歩を進める。
 と、そこに声がかかる。

> 「どっちかっていうと物事を素直に楽しめない人間の方が......。
>  ただの馬鹿だと思わない?」

 くると振り返り、ドレスを纏ったエルフに目を細めて嗤いかける。
 どうしてかしら、どこか懐かしさすら感じるのだけれど。

> 「私は相手が蛮族だろうが何だろうが。
>  面白い見世物には行くべきだって思うわ。
>  だって楽しいことを多く見て、楽しいことを多く聞いて、
>  楽しいことを多くした人こそが人生における勝者だもの。
>  だから私も持ってるのよ、ほら」

「否定しないけれど、悪食は美容に良くないんじゃないかしら。
 それとも、エルフにはそんな事は関係ないの?
 こんばんは、スィニョリーナ。奇遇ね。それ、私も持っているの」

 ひらとチケットを取り出して見せる。

> 「ねえ、もしあなたも聞きに行くつもりなら一緒に向かってみない?
>  どうかしら、かわいくて白い子猫ちゃん?」

「素敵。願ってもないお誘いだわ。きっと忘れられない夜になるでしょう。
 私はカプリッチオーソ。スィニョリーナ、貴女のお名前を伺っても?」


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PL@一葉より:
 ただようデイジーさんのふんいき(・∋・)
 ひゅるっと公演してめでたしかと思いきや、わたしワクワクしてきましたのよ。

 【エルフの女性と一緒に公演に行く】でお願いします。