忘れられない夜に
よんばんがいへと進むみちのりで、耳にはいってきた会話があった。
> 「......今回の作戦は中止だそうだ。
> どうやら思ったより一般人の数が多くなりすぎたらしい」
> ......
> 「わ、悪かったって......ただの冗談だから」
しかいがうすくぼやけ、すぐにクリアになる。
水面がひっくり返るように、移した景色がそのまま反転する。
こちらには気付いていないようだったので、マフラーをくいと上げて目を細めた。
そのキナ臭さが私の琴線に、少しだけだけれど触れる。
とはいえ、私自身がトゥルー・ソウルズと関わりがある訳じゃない。
良い香りがしたからと見境なく食器を手に取るのは、些か品に欠ける。
彼らの事はひとまず追求せず、マフラーで口元を隠したまま歩を進める。
と、そこに声がかかる。
> 「どっちかっていうと物事を素直に楽しめない人間の方が......。
> ただの馬鹿だと思わない?」
くると振り返り、ドレスを纏ったエルフに目を細めて嗤いかける。
どうしてかしら、どこか懐かしさすら感じるのだけれど。
> 「私は相手が蛮族だろうが何だろうが。
> 面白い見世物には行くべきだって思うわ。
> だって楽しいことを多く見て、楽しいことを多く聞いて、
> 楽しいことを多くした人こそが人生における勝者だもの。
> だから私も持ってるのよ、ほら」
「否定しないけれど、悪食は美容に良くないんじゃないかしら。
それとも、エルフにはそんな事は関係ないの?
こんばんは、スィニョリーナ。奇遇ね。それ、私も持っているの」
ひらとチケットを取り出して見せる。
> 「ねえ、もしあなたも聞きに行くつもりなら一緒に向かってみない?
> どうかしら、かわいくて白い子猫ちゃん?」
「素敵。願ってもないお誘いだわ。きっと忘れられない夜になるでしょう。
私はカプリッチオーソ。スィニョリーナ、貴女のお名前を伺っても?」
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PL@一葉より:
ただようデイジーさんのふんいき(・∋・)
ひゅるっと公演してめでたしかと思いきや、わたしワクワクしてきましたのよ。
【エルフの女性と一緒に公演に行く】でお願いします。