【C-3-1】謝り方を教えて
ヴォイスと別れた後のことだ。
>「はい、では行きましょうか。小鳥を脅かさないようにそっと持ってくださいね。
> それからこれを」
ヴェンデルベルトはヴォイスから受け取ったチケットを手渡す。
トゥルー・ソウルズの公演のチケットである。
「なんだこれ、チケットか?
トゥルー・ソウルズ......知らない名前だな」
アポロはヴェンデルベルトからチケットを受け取りながら、不思議そうにその首をかしげる。
どうやら彼はトゥルー・ソウルズについて詳しくないらしい。
それに二枚もらえた理由についても想像できていないみたいだ。
>「お詫びついでに誘ってみては如何ですか?」
ヴェンデルベルトがそこまで言えば。
「あ、そういうことか。
アイリ結構音楽好きだからな、喜んでくれるかもしんね」
アイリを誘えばどうかという提案を把握する。
ただ、彼はまだ子供だからかあまり深く考えてはおらず。
ただアイリが機嫌直してくれればいいなという程度らしい。
「よし、じゃあまた逃げたら大変だし。
鳥籠早く返しに行こうぜ!」
チケットをズボンのポケットにぐっとしまいこんで。
鳥かごを持ちながらアポロは5番街に向かっていく。
* * *
「あ、あのさ」
5番街についたところで。
アポロはヴェンデルベルトに尋ねる。
「こういう時はヴェンだったらなんて言うんだ?」
こういう時とは......つまりシュガーを返す時になんというかということだろう。
アポロはヴェンデルベルトに模範解答を求めているのだ。
「おれ、あんまりうまく謝れたことなくて。
なんか恥ずかしいし、かっこわるいじゃん。
アイリはいつも結局許してくれるんだけど」
ちょっとずつアイリの家は近づいてくる。
完全に到着してしまう前に、アポロは何をやるべきか決めておきたいのだ。
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あんみつ@GMより
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チケットは2枚ともアポロが預かります。
失くしたりはしません、たぶん。
本文後半部で5番街に場面を動かしました。
アポロはヴェンデルベルトにどうやったらいいか確認しています。
彼は概ね助言した通りに対応することでしょう。
他の部分についてはお好きにどうぞ。
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