【C-3-2】相手の不在
どうやって謝るべきかどうか尋ねるアポロ。
>「まず、ごめんなさいと謝りましょう。大切な小鳥を逃がしてしまったのですから。
> 謝らないでいる方が格好悪いですよ。きちんと自分がしたことを認められるのが、大人への第一歩ですからね。
> 恥を恥だと思わないことの方が恥ずかしいのだと覚えてください」
まず彼にヴェンデルベルトが伝えたのは、謝ることが大事だということだ。
ついでに素直に謝るのは恥ずかしいという彼には。
ちゃんと謝れない方が恥ずかしいのだと諭した。
「謝った方が大人なのか......。
ん、んー、そうだなあ。
――わかった、ヴェンがそう言うならおれ、ちゃんと謝るよ」
アポロは素直にヴェンデルベルトの言うことを聞いて。
アイリに対してちゃんと謝ることにしたようだ。
>「それから、これからも仲良くしたいことを伝えてみては如何でしょう?」
ヴェンデルベルトはもう一つアポロにアドバイス。
アイリが優しいからといって甘んじたりせず。
自分の方からも折れることが大事なのだ。
「まあ、おれもアイリが嫌いなわけじゃないし。
ちゃんとそう言ったなら言うことにするよ。
これからも遊ぼ、って」
アイリのことは――嫌いじゃない。
アポロの口からはそんな言葉が出てきたのだが。
ヴェンデルベルトの認識は少し違ったようだ。
>「あとは、アポロ君がアイリ嬢を好きだと言う事も、ね?」
「......へ?」
ヴェンデルベルトの言葉にアポロは目をまん丸くする。
そしてすぐにその顔が赤くなり。
ちょっと汗もかいているようだ。
「す、好きってそんなわけないじゃん?
おれとアイリはさ、ただの友達だって。
好きとかそんなの全然ないぞ!
ないんだからな!」
手をばたつかせながらアポロは徹底的に否定する。
それをどう捉えるかはヴェンデルベルト次第だ。
* * *
アポロが再びベルを鳴らせば。
イリアがまたまた迎えてくれる。
「あら、アポロ。
その籠にいるの......もしかしなくてもシュガーじゃない?
よく見つけたわねえ、アイリもきっと喜ぶわ」
イリアはアポロを見て、すぐに鳥籠の中のシュガーに気がつく。
アポロは彼女に対してVサインをしてみせた。
「おれさ、アイリに謝りたいんだ。
アイリもう帰ってる?」
ヴェンデルベルトに言われた通り、アイリに謝ろうとするアポロ。
だが......。
「ごめんね、まだアイリ帰ってきてないのよ。
あの子ったらどこをふらついているのかしら。
せっかくシュガーを見つけてくれたのに、まったくダメな子ね」
今、アイリは外出してしまっているようだ。
彼女が不在な限りアポロが謝ることも不可能だろう。
「そっか、アイリ帰ってきてないのか。
ヴェンどうしよう。
探しに行ったほうがいいかな?
それとも、待ってれば帰ってくるかな」
アイリだっていつまでもうろついているわけにはいかないだろう。
待っている方が会えるかもしれない。
探しに行った方がすぐに会えるかもしれないが。
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あんみつ@GMより
ヴェンデルベルトルート進行です。
アポロはアイリに謝る気になりましたが。
どうやら当のアイリは外出中のようです。
待ってもいいですし、探しに行っても構いません。
お好きにどうぞ。