【C-4-1】鳥は神殿の中へ
3番街から2番街の方角――つまり北を目指して飛んでいく鳥。
どことなく光の力を感じたそれを。
>「少しの間喋るな、舌をかむよ」
ティキは追いかけることにした。
心配そうな顔のアイリを抱き上げて。
――行き交う冒険者や旅人の合間を縫って駆け出した。
* * *
3番街を北上し、ティキは2番街へ駆け込む。
頭上を飛ぶ鳥はスピードを緩めず、更に北へと進んでいく。
見失うことこそないものの、その距離は少し、また少しと開いて見える。
空を自由に飛んでいることもあり、相手側の速度の方が若干速いのだ。
とはいえ、2番街はどちらかというと落ち着いた雰囲気で。
人通りの多さも先程に比べれば若干少ない。
多少スピードを上げてティキも走っていけるはずだ。
完全に引き離されることはないだろう。
――このまま行けば次にたどり着くのは。
* * *
コンチェルティアの1番街。
最も歴史のある建物が多く立ち並ぶ区画だ。
神殿の数が多いことでもよく知られている。
屋根に隠れて、なんとか見えていたかという透けて見える鳥は。
ある場所まで行けば、くるりと旋回し......急降下していく。
まるでどこかの建物に向かっているかのようで。
鳥が目指していた建物。
それはコンチェルティアで最も大きな神殿。
アステリアを祀る神殿であった。
急降下していく鳥はそのまま神殿の窓から内側へとすり抜けていった。
「び、びっくりしました......。
急にどうしたんですか?」
ティキが目的地までたどり着いた頃。
ようやくアイリが反応を返した。
若干混乱しているらしい......無理もないが。
アステリアの神殿は広く市民に門を開いている。
それは勿論観光客にも同様だ。
「もしかして、お祈りがしたくなったんですか?
そうなら、そうって言ってくれればよかったのに」
いきなり振り回されてアイリはほんのちょっとだけ不満そうだ。
まあ子供らしい口の尖らせ方ではあるが。
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あんみつ@GMより
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鳥からは多少離されそうになりますが、見失うことはありませんでした。
最終的にはアステリア神殿に到着します。
着いたあとはお好きな行動をどうぞ。
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