【C-4-2】美の神殿の高司祭
いきなり担がれた状態で走り出されて。
少し不満そうな表情のアイリ。
>「そういうわけじゃなくてね―」
そんな彼女に対してティキは一通り説明してみることにした。
透明の鳥を追いかけてここまで来たことを。
「透明な鳥?
そんなの居たんですか?
ティキさんよく見つけられましたね......冒険者ってやっぱりすごいんですね」
一通り説明を聞いたら、とりあえず納得してくれたようだ。
ちゃんと理由があるならそれ以上怒らないほどには子供でないらしい。
それに先ほどの鳥はティキにしか見えていないようだった。
そういえば他に気がついていそうな者もいなかったような気がする。
>「本当にごめん。折角だから、ちょっとだけ神殿の中でもみていこう。後で甘いものでも何でも、ご馳走するから」
「約束ですよ!
絶対ですからね!
楽しみにしますから!
......えへ、それじゃあ神殿の中に入りましょうか」
ティキが甘いものをご馳走するといえば。
アイリはころりと表情を変えていく。
今から楽しみで仕方ないようだ。
* * *
アステリアの神殿の中はまるで花畑にいるようであった。
柱や天井の縁などは四季折々の花々の彫刻で飾られている。
椅子や台座などは白で統一され、カーブするフォルムが優美である。
床に敷かれた絨毯にはアステリアだろうか、一人の女神を中心にして......。
三つの妖精の姿が描かれている。
――よく見れば、その内のひとつはテンペストに似ているような気がしなくもない。
そして神殿のメイン区画たる聖像の周囲には。
生きた花が植わっており、丁寧に整えられているため、色鮮やかだ。
中央に佇むアステリアの聖像もまた美しい。
聖像の前に佇むのは淡い桃色のドレスのようなローブを身に纏った......。
これまた整った顔つきの長い金色の髪をした女性である。
その彼女の前にいるのは......。
透明な体をした鳩である。
鳩は何かを伝えようとするかのように女性の体をつつく。
透明の鳩の気持ちに応えようと女性は振り返り。
「すみません......もしよろしければなのですが。
少しだけお時間をいただいてもいいでしょうか?
私、この神殿の高司祭のダフネ・ルクスと申します」
ティキに話しかけた。
彼女はこの神殿の高司祭であるという。
おそらくコンチェルティアのアステリア神殿の代表者だ。
「いえ、たいしたことではないのです。
少し貴女と話したい者がおりまして」
どうやらティキと少しでも話したい者がいるようだ。
その話したいと思っている存在とはおそらく......。
「特に他に聞かれては困る話ではありませんので、ご一緒でも構わないですが。
別段面白い話でもございませんし。
そちらのお嬢様にはここの者が預からせていただくこともできます」
ついでにもし話をする場合でも、アイリのことは一時的に預かってくれるとのことだ。
現に今もアイリはちょっと置いてけぼりをくらっているせいか、少し落ち着きがない。
「失礼ながら、その前に一つだけ確認させていただいてもよろしいでしょうか。
貴女は......テンペストという名前に聞き覚えはありますか?」
最後に彼女は言った。
テンペストという響きを聞いたことがないか、と。
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あんみつ@GMより
ティキルート進行です。
【NPC:女性】に【ダフネ・ルクス】を登録しておきます。
ティキは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の3つです。
・アイリを連れて話を聞きに行く
・アイリを預けて話を聞きに行く
・そもそも話を聞きに行かない
他にも何かございましたらお好きにどうぞ。