かの妖精とのつながり
>「透明な鳥?
そんなの居たんですか?
ティキさんよく見つけられましたね......冒険者ってやっぱりすごいんですね」
説明には納得してくれたようで、疑問に思いながらも理解してくれたようだ。お詫びも喜んで受け取ってくれそうだ。
......しかし、見えづらそうな姿とはいえ、結構な人通りだというのに私以外に気づいていた者は居無さそうだったな。
***
神殿の中は、とにかく美麗だ。柱やいすの一つ一つにも気が使われて、そのどれもが芸術品である。
「すごいね、美術館並みだよ。寄ってよかったかもね」
しかし。
「......ん?」
その一つである絨毯を見たとき、気づいた。絵の中心にいるアステリア神、その周囲に描かれた三体の妖精......その一つは、もしかしてテンペストではないか?
伝承にうたわれていた妖精ではあったようだが、まさか神代からの古い妖精だったのだろうか。しかし最近、古のものによく会う。
ありがたいことだが。
神殿の中心たる聖像の周辺に来たとき、あの透明な鳥を見つけた。それは、聖像の前にたたずむ美しい女性の前にいた。
「あっ、あの鳥......」
そして彼女は、振り返るなりこんなことを言う。
>「すみません......もしよろしければなのですが。
少しだけお時間をいただいてもいいでしょうか?
私、この神殿の高司祭のダフネ・ルクスと申します」
聞けば、私と話したいものがいるのだそう。話を聞くなら、その間アイリは預かっていてくれるらしい。いてもいなくても構わないらしいけれどつまらない話だったら気の毒だし、もしかしたら仕事の話かもしれない。
「構わないけれど、ではその間この子を預かっていてほしい。お茶とお菓子でも出してあげて欲しいな」
言ってから、アイリの頭をなでる。
「私に会いたい人がいるんだって。ちょっと話を聞いてくるから、しばらく待っていてね」
>「失礼ながら、その前に一つだけ確認させていただいてもよろしいでしょうか。
貴女は......テンペストという名前に聞き覚えはありますか?」
「ある。あるどころか、あの大妖精となら会って話したこともある。今日この街に来たのも、土産を持ってまた会いに行くためで......」
話の内容とは、あの妖精についての事なのだろうか。
PL
アイリを預けてお話を聞きに行きます。どんな話か聞かれたら後で要点だけ伝えてあげればいいかなと。